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確信犯【潔世一】 ページ41

ふわぁ、と何回目か分からない欠伸をして枕に顔を埋める。

「もう部屋に戻るのめんどくさい」

潔は困ったように眉を下げた。

「めんどくさいって、凪かよお前は‥。だから早く帰れって言ったろ」

一緒にしないで、と抗議するが人の布団でくつろぐやつに説得力はない。

潔の部屋に遊びに来て、話してるうちに消灯時間は過ぎるし、廊下は寒いしで、自分の部屋に戻るのが億劫になってしまったのだ。

「ここで寝てってもいい?」

私はもぞもぞと仰向けになり、人様の布団に潜って寝る体勢を整える。

「さすがにそれは」

「おやすみー」

布団を肩まで掛けて目を閉じれば、彼は「話聞けって」と焦って布団を捲ろうとする。

その手首を握って「朝には帰るから、お願い」と懇願すると、彼はため息をつきながら布団に入り、こちらに背中を向けて横たわった。

仰向けの私の左肩が彼の背中に軽く触れる。

横を向くと、彼の顔は見えないけど耳が赤いから照れているのは丸わかりだ。


じれったい。

襲うなりすればいいのに。
これだけ据え膳を用意してるんだ。


私は彼が思ってるほど純粋じゃない。付き合ってない人とやることにも抵抗はない、不誠実極まりないやつだ。
でもそれも自覚があるだけマシか、なんて思ってるからほんとに最低だ。


私は彼に後ろから抱きつく。
脚をツー、となぞるように触ると、彼の体がびくりと軽く跳ねた。焦ったように彼が振り返る。


「っA。急にどうし」

背中越しに彼の唇を奪うと、顔を赤くした彼と目が合う。


「‥したくなっちゃった」

はにかんで言うと、彼の瞳が大きく見開かれた。

ぐるりと視界が回り、天井と余裕がない彼の顔が映る。

「‥どうなっても知らねぇからな」

「いいよ、潔の好きにして」



明日の予定なんて知らない。
この夜に溶けて交わる。

仕舞う【氷織羊】→←にせもの【千切豹馬】



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雨海(プロフ) - ひよさん» 読んでくれてありがとうございます!!気に入っていただけて嬉しい(〃ω〃)最近更新サボり気味だったのですが頑張れそうです(*´꒳`*) (2023年2月20日 13時) (レス) @page23 id: d5df2c0ba3 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。タイトルにホイホイされまして読ませて頂きましたら……私の……私の理想の夢世界が広がっておりましたありがとうございます(泣) お話のトーンもめちゃくちゃ好みです!またの更新を楽しみにお待ちしております…! (2023年2月20日 9時) (レス) @page45 id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
雨海(プロフ) - jやよさん» ありがとうございます!尊いなんてそんな…(〃ω〃)氷織くんいいですよね!綺麗かわいいし、関西弁がたまらん(*´-`) (2023年2月3日 0時) (レス) id: d5df2c0ba3 (このIDを非表示/違反報告)
jやよ - ぜ、全部尊いだと、、、主さんは神か? 特に氷織君が好きなのこういう短編集にあることも感激です!これからも主さんの好きなペースでいいので更新頑張ってください! (2023年2月2日 22時) (レス) id: 7c8c23da7c (このIDを非表示/違反報告)
雨海(プロフ) - ななノさん» ありがとうございます(*´꒳`*)そんなに褒めていただいて光栄です!夢主のあざと可愛いを意識してるので伝わってて嬉しいです笑モチベがめちゃ上がりました笑 (2023年1月29日 3時) (レス) id: d5df2c0ba3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨海 | 作成日時:2023年1月10日 18時

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