Shuan (ページ12)

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Your side

ドアが開く音

先生が帰ってきたのかな

今日は肉じゃが作ってみました、と思いながらソファに腰をかけていた

「A！！」

予想だにしてなかった人で一瞬焦る

でもいずれお兄ちゃんに見つかるということは頭で分かっていた

「……お兄ちゃん」

お兄ちゃんは私が今まで築き上げたテリトリーにズカズカ入っては荒らしていく感覚になる

「痛っ！」

掴まれた腕はとお兄ちゃんの爪が食い込む

「おい、やめろよ」

先生はそう諭すように言うが、お兄ちゃんには聞こえていない様子

「A、帰ろう」

強引に引っ張るから爪が食い込んだ所から出血する

鈍い痛みがズキズキと前身を伝わって

涙が出る

「……やめて、」

「お兄ちゃん、やめて！！」

叫んだためか、お兄ちゃんの掴んでた強さが緩まって

その隙に先生の元へと向かった

「A？！」

「お兄ちゃんごめんなさい。もう比べられるのは沢山なの。」

「出来ない妹でごめんなさい。もう帰って！」

お兄ちゃんは舌打ちをする

そんなお兄ちゃんは見た事無かったから驚いた

「好きにしろ」

吐き捨てた言葉

お兄ちゃんは去っていって、安堵で震える

「A？」

今、先生の優しい声が頭を痺れさせる

「こ、怖かった…いつもの優しいお兄ちゃんじゃないみたいだった」

涙が溢れて、ぐちゃぐちゃになる私を先生は捉えて

「ごめん」

先生の謝罪とともに、再び痛みが走った

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