オレの『いもうと』 (K.Nino) Part1 (ページ14)

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一抹の不安ページ14

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A：「おにぃさ，そんな口うるさいと，彼女に嫌われちゃうよ？」

和：「なにが…」

A：「包丁の持ち方が危ないだの

野菜はもっと丁寧に洗えだの，ほんと細かすぎ！

野菜に多少泥が付いてたって，死なないっつうの」

和：「ちょっ，お前こそ，そのガサツなの直さねーと…

男にモテねえぞ？」

…あれ？まじへこみ？

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いや，Aは，実際はモテるんだよ。きっと。

ただ，その…男ゴゴロに気づかないだけで(笑)

昔，クラスメイトのちょっかいに悩むAの話を聞いたうちのアネキは，

「それ，Aちゃんのこと好きなんだよ，絶対」

って，よく言ってたなあ。

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午後，オレは音楽のアレンジをしたくて

和：「わるいけど，部屋籠もるよ？」

とAに断りを入れたら

A：「ん，私，夕方までいてもいい？

あ，もしイヤじゃなければ，お礼に掃除とか…させて？」

なんて殊勝なことを言うから

オレは素直にお願いすることにした。

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夕方，今から出かける用事があると言うと，

Aも，じゃあ私ももう行く，

と言って立ち上がった。

A：「おにぃ，ほんと，ありがとうございました」

殊勝に頭を下げる。

和：「おう，気をつけてな。てか，カレシと連絡ついたの？」

A：「ん。大丈夫。何とかなると思う」

なんとかって…

呑気な「いもうと」の言葉に

オレは一抹の不安を感じた。

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