新しい明日６ ページ47
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急に、私の中に、たくさんの翔くんが......鮮明に蘇る。
昼休みの屋上で１人、ベンチに座って遠くを見る
孤独を纏った、寂しい横顔。
優しく笑う、その瞳の奥の隠しきれない影。
それはきっと、大切なものを失くした人の...深い闇。
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潤：「ごめ...オレ...余計なこと訊いた」
翔：「ん...オレも...初めて...しゃべった」
潤：「ごめん...」
翔：「いいんだ。...区切り、つけようと...思ってたから」
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翔：「こんなオレでも......好きって
気持ちぶつけてくれるコがいるのに...
オレが......いつまでも逃げてちゃ...ダメだな」
車内は再び沈黙に包まれ
潤の踏み込む、アクセルの音だけが妙に響いて...
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翔が車を降りるときも、私は寝た振りを続けた。
潤は、その後も何も言わないで
私のマンションの近くで車を止めると
潤：「...起きろ」 小さく私を揺さぶって
潤：「１人で帰れっか？......送ろうか？」
真剣な顔で、私を覗き込む。
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潤は私の歩幅に合わせて、ゆっくりと歩く。
潤：「だからさー、あんな優しくない男より
...オレにしろって言ったろ？」
「もー、今は冗談...聞きたくないの」
潤：「冗談って......ひでえな」 優しく笑う声。
翔くんが、『想い人』のこと
すぐにふっきれなくても...私だって
もう...簡単に忘れられるような、恋じゃない。
「ねえ、翔くんのこと...待ってみようかな」
潤：「......好きにしろ」
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ねえ、潤だって知ってるでしょ？
本当は、翔くんが優しい人だってこと。
片思いの辛さがわかるからなの？
切ない表情で...言ってくれた翔くんの「ごめん」の一言は
望みのない私の恋に、期待をさせないための優しさ。
そんな顔で振られても、余計、諦められなくなるのに...
本当に......残酷なほど......優しい人。
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ラッキーアイテム
革ベルト
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