検索窓
今日:16 hit、昨日:1 hit、合計:213,955 hit

お人好し 〜翔side ページ31

.


オレがなかなか恋人と長続きしなくて

Aがいっつもオレのこと心配してさ


A:「翔は、本気で人を好きになったことあるの?」


って......オレに説教したときも。

なぜか智くんがAに怒ったんだよね。


智:「A、翔くんの気持ち考えないで

そんなこと言っちゃだめだよ」


あのときの智くんの苦しそうな顔を見て


オレ、わかっちゃったんだよね。


智くんには、オレの気持ち......

Aへの想いが、バレてたんだなって。


今だから言うけど、あの頃さ、何度も思ったんだ。


もし......もしね?

智くんより、オレの方が先にAに告白してたら...


違うストーリーが待ってたり、したのかなって。


.


ね、智くん。


だからなの? だから......最後に


あんなメッセージを、残してくれたの?


もうほんとさ、どこまで人が.........好いんだよ。


.


.


顎まで毛布を引っ張って、オレの腕枕で眠るAの

白い頬に春の柔らかな日差しが落ちて。


窓の外を見ると、光が眩しくて思わず目をつぶる。


A:「ね、翔?」


寝ていたはずのAが不意に話しかける。


A:「来週の智の命日には

もう、桜も散っちゃってるかなあ」


翔:「......そうかもな。...残念だけど」


A:「...智、今年はお花見できたかな」


翔:「そりゃ、ぜってーしてるわ。

も、天国からの眺めなんてさ、絶景でしょ」


A:「そっか......ふふふ、そうだよね」


翔:「なーA。こんどお参り行ったらさ、

オレたちのこと...智くんに報告しような」


A:「ふふふ......智、きっと驚いちゃうね」


翔:「どーかな......案外......驚かないかもよ」


.


智くんには何もかもお見通しだよ。

もう、きっと、ずっと前から。


A:「えー、そうなの。

翔くん、ずりーよ、オレがいないからって、

とか、妬いてくれたりしないワケ?」


少し不服そうな声のAが、オレは可笑しくて。


翔:「きっとね、これで


......お互いさまだね、ってそう、言ってると思う」


.

バイバイ→←言えなかった言葉 〜翔side


ラッキーアイテム

革ベルト


目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (346 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
109人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:にゃのこ | 作者ホームページ:http://.  
作成日時:2010年11月18日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。