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あの頃、私たちは... ページ1

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「A?」


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突然名前を呼ばれて、私は後ろを振り返った。


A:「しょっ、...翔?」


翔:「よっ...久しぶりだな」


翔は優しく笑うと、私の隣にしゃがみ込む。


薄いピンク色の花束を置いて、そっと手を合わせる翔の

眼を閉じた、その端正な横顔をじっと見つめる。


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ね、翔も思い出しているの?


周りの誰もを幸せにしてしまう


あの、穏やかで、優しい笑顔を。


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......智?


そこから私たちのことが、見える?


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今でも私の中には...ううん、きっと。


きっと翔の中にも、


智が変わらず......生きていて。


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翔:「Aはしょっちゅう来てんの?」


A:「...うん、毎月、月命日には。...翔は?」


私たちはバスに揺られて駅までの道を行く。


翔:「オレは...実は、葬式以来なんだ。

なんつーか、やっぱ辛くてさ」


そっと笑ってみせるけど、

その表情には、拭いようもない影が浮かぶ。


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翔、少し...痩せた?


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私と翔と...そして智は、大学の同級生だった。


一緒に授業に出て、一緒に授業をさぼって

いっつも大笑いして、バカばかりして


ずっと変わらずに3人でいられるって

そう...信じていた。


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あの頃の、私たちは。


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作者名:にゃのこ | 作者ホームページ:http://.  
作成日時:2010年11月18日 0時

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