手伝うのがお仕事です！２ (ページ4)

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景「なんか難しいことはよくわからんけど、Aちゃんが戻ってくる可能性がどのくらいあるかわからんけど」

目尻に溜まった涙を拭っていると、低めのトーンでおもむろに口を開く佐藤さん

こんな気弱な佐藤さん初めてだ…

景「そりゃあ戻って来てくれるのが1番やけど、連絡は返してよ。無視は嫌だ…」

『…はい』

景「けど、声も聞きたいから電話もしたい」

『……はい』

景「欲を言えば月1くらいでAちゃんのご飯食べたい」

『………』

景「Aちゃんが掃除してくれな部屋汚くなるし、洗濯もAちゃんがしたほうがいい匂いするし」

景「“いってらっしゃい”も“おかえり”も俺の傍で言ってほしい」

『佐藤さん…』

私以外を映してない佐藤さんの瞳から逃げることが出来なくて

人は8秒間目が合えば恋に落ちるというのに

その実験結果は本当なのだろうと思ってしまうほど、こんな状況なのにも関わらず心臓が跳ね上がる

その状態のまま何秒か経ったとき、パッと目の色が変わり「あー流石に欲出し過ぎたわ」と言って笑う佐藤さんは、私が知っている佐藤さんだ

景「あ、でもメッセージは俺だけに返してくれればいいから」

蓮「最低やね」

『……私、やっぱり皆さんの所に帰り…じゃなくて戻りたいです』

景「帰ってきてよ」

蓮「いつでも待っとるよ」

『迷惑じゃないですか…？』

景「んなわけ」

蓮「むしろみんな喜ぶよ。でも大丈夫と…？」

『はい…。ちゃんと話し合ってみます』

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ちゃんと言えるかな…

いざ、両親を前にすると足がすくんで口が鉛のように重くて開かない

あれから佐藤さんと川尻さんと別れて、家に帰り、話したいことがあると両親を呼んで今に至る

『あの……さ』

「今回の結婚の話、破談になった」

『……えっ？』

腕を組み険しい顔をしていた父は、私が予想もしなかった言葉を口にした

今なんて…？

すると父は続けて口を開く

それは私が呑気に散歩をしているとき
忘れられない人がいるから結婚できないと婚約相手に深く頭を下げられたらしい

自分の身勝手で娘を結婚させることに悩んでいた父は、そうでなくとも破談にするつもりだったと言った

「寂しいけん、たまには戻っておいで」

『うん』

きっと父は気がついていたんだろう

何もやりたいことがなくて、なんとなくで毎日を生きていた私が、本当にやりたい何かを見つけたことに