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案の定ポップコーンは開始10分ほどで底が見えていた
『っ……』
汐「あかん。泣きすぎて頭痛い」
『うぅ……っ、鶴房さん泣き過ぎですよぉ…』
汐「Aさんも泣き過ぎっすよ」
なんて言いながら、お互い1歩も譲らずティッシュをむしり取る
11人の中で1番仲良くなったのは恐らく鶴房さんだろう
同じ趣味というのは人との距離を近づけるには十分過ぎるほど
金城さんや川西さんとは違う近寄り難さみたいなもの感じていた最初の頃の私に言ってやりたい
アニメに感動したのはもちろん、鶴房さんと一緒にアニメを観れなくなるのかと思うと少し寂しい気もする
汐「次なんのアニメ見るか決めてます?」
『あー…まだチェックしてなかったです』
壁にくっつけたベットに横並びで座りながら、いつも通り他愛のない会話をする
ずっと楽しみにしてたアニメが来月から始まるし、今期に比べて当たりアニメが多いから沢山見るものもあるけど
汐「はよ決めてくださいね。次も一緒に見たいんで。ちなみに俺は…」
鶴房さんの未来に当たり前に自分がいることが嬉しくて、鶴房さんが目星を付けてるアニメの話なんて入ってこなかった
私だってまた一緒に見たいよ
あーだこーだ言いながら、笑いながら、泣きながら
俯きながらティッシュを1枚取った私を見て「ちょ、どしたん?なんで泣いてるん?」と声を聞いただけで鶴房さんが眉尻を下げ心配している顔が目に浮かぶ
『さっきのアニメの余韻で泣けてきちゃいました…』
汐「……そっか。ならええけど」
背中に優しく置かれた鶴房さんの手に、そのまま後ろ髪を引かれてしまいそうになる
目尻に溜まった涙を拭って顔をあげると、少し深刻そうな顔をしている鶴房さん
汐「なんかあったら言うてな」
『えっ?』
汐「最近元気ないから」
『…気のせいですよ。元気です』
空元気なのが伝わりませんようにと願いながら、口角を上げて見せれば、鶴房さんは優しく笑った
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『じゃあ部屋戻りますね』
汐「おん」
そう言ってベッドから立ち上がろうとしたとき、鶴房さんに腕を引かれ胸に頬を寄せた
汐「俺たちの前からおらんくならんっとって」
私を抱きしめながら耳元でポツリと呟いた鶴房さんの声は震えていて、か細くて、寂しげだった
ときに、仲良くなり過ぎると思っていることが意図せず伝わってしまうこともあるらしい
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ニアちゃん(プロフ) - 匿名ボーイさん» とても嬉しいコメントありがとうございます!まだまだ続きますので更新を楽しみにして頂けると幸いです♡ (8月22日 18時) (レス) id: 3974967ea4 (このIDを非表示/違反報告)
匿名ボーイ - コメント失礼します!とっても面白いです!いつも楽しみにさせて頂いています!ありがとうございます! (8月22日 10時) (レス) @page32 id: 4d5241d02c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニアちゃん | 作成日時:2023年7月17日 7時