検索窓
今日:23 hit、昨日:115 hit、合計:164,098 hit

. ページ31

.


その日の夜、何故だか寝れなくて

気分転換にリビングで水を飲んでいるとドアが開く音がした





「あれ先客だ」

『だ、誰ですか…?』





人影を捉えることは出来たけど、月明かりが薄く射し込む程度では誰なのかまでは把握出来ない


そして僕ですよと段々近づいてくる人影は木全さんだとわかった



誰かが来ることなんて想定していなかったから、ヒュンっと肝が冷えた


びっくりしたぁ…





『こんな遅くにどうしたんですか?』

翔「いやぁ、お腹空いちゃって。なんかいいものないかなーって冷蔵庫漁りに来ました。Aちゃんもですか?」

『いえ私は寝れなくて』

翔「いつも寝れないんですか?」

『今日だけです。なんでですかね、皆さんが帰ってきて嬉しいのかも。アドレナリンってやつですかね』

翔「わぁお。僕も久しぶりにAちゃんに会えて嬉しいですよ」





冷蔵庫をガサゴソ漁っていた木全さんは、パッと私の方を向いてそう言った


冷蔵庫の明かりで少しだけ見えた木全さんの顔は今まで見たことのない顔をしていて

上手く言えないけど、例えるなら恋愛ドラマで俳優さんが相手の女優さんを愛おしそうに見つめるようなすごく優しいそんな顔


果たして木全さんがそういう感情と共に私を見てきたのかはわからないけど





これ食ーべよ!となかなかの量の食材を冷蔵庫の中から出してから、ものの数分で食べ終わっていた


恐るべし木全さん…




ティッシュで口周りを拭きながら「もう寝れそうですか?」と聞かれたのでなんとなく正直に





『いえまだ…』

翔「じゃあぼーっとしながら空を見ましょう。あ、今日満月らしいですよ」





木全さんの提案により、窓際に椅子を持っていき月を眺めることにした




あ、本当に満月だ…






いつもより大きな月の光は木全さんと私の2人を静かに照らす









翔「今日は月が綺麗ですね」

『ですねぇ』

翔「キラキラしてる星はなんですかね?」

『金星じゃないですか?』

翔「へぇ。物知りですね」

『いや適当です。キラキラしてるから金星かなと』

翔「なんですかそれ。でもAちゃんが金星って言うならそうですよ」





あははと笑いながら全肯定してくれる木全さんと過ごす澄んだ夜の時間はゆっくり流れて、凄く心地よいものだった


木全さんといると落ち着くなぁ…

.→←18【🐰】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (165 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
682人がお気に入り
設定タグ:JO1 , 紅一点
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ニアちゃん(プロフ) - 匿名ボーイさん» とても嬉しいコメントありがとうございます!まだまだ続きますので更新を楽しみにして頂けると幸いです♡‬ (8月22日 18時) (レス) id: 3974967ea4 (このIDを非表示/違反報告)
匿名ボーイ - コメント失礼します!とっても面白いです!いつも楽しみにさせて頂いています!ありがとうございます! (8月22日 10時) (レス) @page32 id: 4d5241d02c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ニアちゃん | 作成日時:2023年7月17日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。