12【🐶】 ページ16
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皆に好評だった餃子はあっという間になくなり、これが成人男性の威力かと関心した
結構な量作ったつもりだったけど、次からは多めに作ってもいいかも
「パリパリ部分僕にちょうだい」と羽の部分が好きらしい木全さん、不格好な餃子を掴んだ豆原さんは「これ絶対瑠姫くんが作ったやつやん」などと言いながらも皆美味しそうに食べてくれた
人と食べるご飯は何倍も美味しく感じるなぁ
それにこんな美味しそうに食べてくれて作りがいしかない
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ご飯を食べ終わってからは自室に戻ったり、テレビを見たり自由な時間を過ごすのが彼らの日常
シンクに溜まった食器を洗っていると、「あの、餃子美味しかったです」とわざわざ感想を言いに戻ってきてくれた豆原さん
『よかったです。皆さんのおかげで餃子が得意料理になりました』
豆「そうですか。それはよかったです」
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その後喋ることもなければ部屋に戻ることもなく、食器を洗っている私の手をひたすら目で追っている豆原さん
…なんだろう
洗い方汚い?雑かな?
洗い終わって水切りラックに置いていた食器をシンクに戻して、洗い直そうとしたとき「何してるんですか?」と冷静なツッコミを受けた
『洗い方雑だったかなって…。豆原さん凄い見てたから』
豆「あ、すみません。そういうつもりじゃ」
『?』
豆「俺、Aさんには豆原さんって呼ばれたくなくて」
『ではなんと呼べば…』
豆「豆ちゃん…とか」
そう言って照れくさそうに少し俯く豆原さん
『豆ちゃんですか…確かにみなさんそう呼んでますもんね』
豆「はい。なのでAさんにも同じように呼んでほしいなって思ったんですけど…」
『私なんかが呼んでいいんですか?』
豆「そっちのほうが僕は嬉しいです。あと年上の人からの敬語も慣れないんで出来ればやめてほしいです」
ダメですか?なんて水分量の多い瞳であざとく聞かれたら誰だって逆らえない
さすがアイドル、自分の顔をよく理解していること
バイトの分際で豆ちゃんなんて軽々しく呼んでいいものなのか、タメ口をきいていいものなのか
『じゃあ豆ちゃんって呼…ぶね』
豆「嬉しいです。じゃあおやすみなさい」
えへへと笑みを零し満足気に部屋に戻る豆ちゃんの後ろ姿は多分尻尾が生えていたと思う
呼び方が変わるだけで少しだけ距離が近くなった気がする
豆ちゃんか、なんかいいなぁ
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ニアちゃん(プロフ) - 匿名ボーイさん» とても嬉しいコメントありがとうございます!まだまだ続きますので更新を楽しみにして頂けると幸いです♡ (8月22日 18時) (レス) id: 3974967ea4 (このIDを非表示/違反報告)
匿名ボーイ - コメント失礼します!とっても面白いです!いつも楽しみにさせて頂いています!ありがとうございます! (8月22日 10時) (レス) @page32 id: 4d5241d02c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニアちゃん | 作成日時:2023年7月17日 7時