向日葵に水やりを【Takumi.K】 (ページ43)

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咲いた向日葵は今ページ43

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 『何読んでるん？』

｢わっ！背後から近づかないでよ！｣

『相変わらずビビりやな。ほんで何それ』

｢日記だよ｣

『へー日記とか書くタイプなんや』

｢これは特別な日記なの｣

拓実くんが卒業して、私も無事に卒業できて

時間が経てば敬語もなくなって、呼び方も変わった

拓実くんは仕事が忙しそうだけど、時間が会えばすぐに会いに来てくれる

持っていた日記を悪戯にひょいって取ろうとするけど、私はそれを全力で死守する

拓実くんにだけは、この日記を絶対に見られるわけにはいかない

｢絶対見せない！見たら怒る！｣

『わかったわかったから、はよ行くで』

そうだ、今日は拓実くんとひまわり畑に行くんだ

花なんて興味あるんだねって言ったら、前にAが行きたいって言うてたからって

ひまわり畑行きたいなんて拓実くんに言ったことないけどなぁ…

まあ何はともあれ、大好きな人と大好きな花を見に行けるのはとても幸せです

｢拓実くん！好きだよ！｣

『んー俺も』

｢ちゃんと好きって言ってよ！｣

『好きやで』

｢っっ…！｣

『いつになったら慣れるん』

｢一生無理かも…｣

本当いつになったら慣れるんだろう

だけど拓実くんがずっとかっこいいのがいけないんだよ

『準備出来た？』

｢あとちょっと！｣

『じゃあリビングで待ってるな』

そう言って拓実くんは部屋を出た

拓実くんから死守した日記は少しボロついてて、所々字が滲んでたりする

日記の劣化が表すのは彼と付き合って長いということ

たまに見返して懐かしむ時間が堪らなく大好きで

何年経っても拓実くんと出会ったあの日のことは忘れないし、拓実くんと過ごした高校生活は私の宝物

そしてこのボロついた日記も私にとっては大切なものなんだ

これは拓実くんに振り向いてもらえたまでを綴った
私の奮闘記だから

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