向日葵に水やりを【Takumi.K】 (ページ40)

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         正門で拓実先輩を待っていると、お友達と帰る先輩を見つけた

隣に並ぶお友達は彼女に呼ばれたらしく…ってミミナ！？

拓実先輩のお友達の彼女はミミナだったらしい

｢拓実先輩！卒業おめでとう…ございます…｣

『全然おめでとうって顔してへんな』

｢オメデトウゴザイマス！｣

『無理せんでええよ(笑)』

ぎこちなく笑いながら祝福の言葉をかければ、先輩はありがとって私を抱き寄せた

『いつでも会えるし、な？』

｢そうですけど…寂しいもんは寂しいです｣

『それは俺も』

｢そうは見えないです｣

『見せてへんだけやで』

見せてくれたっていいのに！

いつか拓実先輩のこと甘えさせてやる！

『なんかよからぬ事考えてへん？』

｢いや〜？別に？｣

『こわっ』

女の人は的に回したらあかんなって怯えてる先輩を見るのは新鮮

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ミミナたちは話し終えたみたいで、お友達が拓実先輩を迎えに来た

『じゃあ、今日電話するわ』

｢はい！待ってます｣

学ランを着て下校する先輩を見るのはこれが本当に最後

そう思うと胸が熱くなる

｢拓実先輩！｣

『？』

｢第二ボタンください！｣

第二ボタンはきっと卒業式の日に貰うから意味があるんだと思う

正門から少し歩みを進めた先輩を呼び止めた

『投げるからちゃんと取ってな』

｢はーい！｣

おおきく振りかざした右手から放たれた第二ボタンは、綺麗な弧を描き私の元へやってくるはずだったのに

風と共に桜が舞いストレートには届かず、私は少し動いてキャッチした

｢ありがとうございます！｣

『いーえ』

｢あっ！」

「拓実先輩、投げるの下手くそです！｣

『うっさいわ(笑)』

そう言って拓実先輩はあの日と同じように、非対称に口角を上げて笑った

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