向日葵に水やりを【Takumi.K】 (ページ34)

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『ごちそうさまでした』

今日も拓実先輩はご飯を綺麗に食べて手を合わせた

職員室に呼び出されてたせいで、昼休みは残り20分

こうやって拓実先輩とご飯を食べれるのはあと何回だろう

拓実先輩！って挨拶出来るのはあと何回だろう

拓実先輩と一緒に帰れるのはあと何回だろう

『なんで泣いとん』

｢え…？｣

そんなことを考えていれば、心の中で溢れた感情は形となっていた

｢先輩卒業しないでくださいよぉ…留年してくださいぃ…｣

『えげつないこと言うてんで』

｢だって…先輩が卒業しちゃったら火曜日は誰とご飯食べたらいいんですかぁ…｣

『…可愛いこと言い過ぎやで、まじで』

｢なんですか、また犬ですか？それともタコですか？もうこの際なんでもいいです…｣

『犬でもタコでもなくて、Aが可愛いって言うてんねん』

そう言うと先輩は私の頭をふわっと撫でた

拓実先輩は相変わらず罪な人だ

｢…拓実先輩。ギュッてしてもいいですか｣

『今日だけな』

｢ぅっ…拓実先輩やっぱり卒業しないでぇ〜！寂しい〜！｣

『絶対卒業すんで』

意地悪くからかうように言うけど、泣きじゃくっている私の背中に手を回して慰めてくれた

『卒業はするけど、スイーツ巡りしよか』

｢え！｣

『立ち直りはや』

｢行きます！行きましょう！ずっと待ってたんですから！｣

『知ってる。待っててって言うたからな』

あの日のことを覚えてたのは私だけじゃなかったんだ、そう思うと嬉しくてたまらなかった

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