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拓実先輩のご両親は出張中らしい
男の人の家に上がるのなんて翔也以外初めてだ…緊張する
部屋に案内されてソワソワしてたら、その辺適当に座ってて、ってリビングに飲み物を取りに行ってくれた
当たりをキョロキョロ見渡していると、写真立てに飾られている家族写真を見つけた
小学校低学年くらいだろうか、今とは違いぷにっとしている先輩は凄く可愛い
隣にいるのはお兄さんかな…
拓実先輩のほっぺにチューしようとして嫌がられてる写真のチョイスが微笑ましい
『何見てるん』
「あ、ごめんなさい!拓実先輩のちっちゃい頃可愛いですね」
『せやろ、俺可愛いねん』
リビングから戻ってきた拓実先輩は、持っていたオレンジジュースを机に置いた
「そうだ!せっかくだし拓実先輩の卒アル見たいです!」
『却下で』
「お願いします〜!一生のお願いです」
『じゃあゲームに勝ったらええよ』
そう言うと拓実先輩はテレビを付けて、セッティングを始める
ゲームは、かの有名な大乱闘するやつだった
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『なんでそんな強いん』
「翔也とやり込んでましたからね」
『誤算やわ。ミスった』
結果は私の勝利
翔也ありがとう
「ってことで卒アル見せてください!」
『笑わんとってな』
「笑いません!写真は撮るかもですけど」
『見せへんで』
「嘘です!目に焼きつけるだけにします」
はい、って不服そうな顔で渡された卒アル
ペラペラ捲っていると、一際目を引く拓実先輩の写真
さっき見た家族写真よりも、もちろん大人で今よりは少し幼い
私が知らない拓実先輩の中学時代
もっと早く出会ってたらと思うこともあるけど、今は今で楽しいからいいかなっても思う
「可愛いですね」
『可愛くないやろこれは』
「可愛いけどどちらかと言うとかっこいいですかね!あ、だけど今が1番かっこいいですよ!もちろん!」
嘘偽りなく思ったことを拓実先輩に伝えれば、先輩は拳を口に当てて下を向いた
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作者名:ニアちゃん | 作成日時:2023年2月3日 20時