向日葵に水やりを【Takumi.K】 (ページ29)

今日:29 hit、昨日:82 hit、合計:142,689 hit

29 ページ29

.

    迎えた放課後、なんか進展あったら教えてねってニヤニヤしながら、ミミナと翔也は先に帰って行った

ナビを入れてその通りに進んでるけど、これ合ってる？

ぐるぐるさっきから同じとこ歩いてる気がする
着く頃には朝日出てるかも…

絶望の中スマホのナビと睨めっこしていると背後から声をかけられた

『なにしてるん』

｢あ…拓実先輩。……え？熱は下がったんですか？出歩いて大丈夫ですか？｣

『なんのこと？熱ないけど』

｢昨日私に学ラン貸してくれたからそれで風邪引いたのかと…。拓実先輩と同じクラスの人に休みだって聞いて｣

『ちゃうよ、寝坊したからそのまま休んだ』

｢悪い先輩だ｣

とりあえず風邪ひいてないみたいでよかった

『で、わざわざ届けに来てくれたんや』

｢翔也から住所教えてもらったんですけど、全然辿り着かなくて…｣

『ここやで』

｢え？｣

ここだと指差す立派な一軒家の前でスマホと睨めっこしていた私は、既に辿り着いていたみたい

『家…入る？』

｢えっ！？｣

『なんか食ってく？お菓子買いに行っててん』

そう言う拓実先輩の手には、チョコやポテチがビニール袋から透けて見えていた

『別に変なことせぇへんよ。大事な後輩に』

｢では…お邪魔します｣

後輩って釈然としないけど、又とないチャンス
お家に上がらせてもらうことにした

.