向日葵に水やりを【Takumi.K】 (ページ26)

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  流石にシャツ1枚じゃ夜風に当たれば少し肌寒いってのに

お風呂上がりにどうしてもアイスが食べたくて、シャツ1枚で私はコンビニへと向かった

さっむ…

乾かしきれてない髪、今日に限って強い風
湯冷めするには十分だった

それでもアイスは食べたい

新作のいちごアイスに手を伸ばしたとき反対側にいた人も同じアイスを欲しかったようで…

｢あ、すみません。えっ！？｣『すんません、どうぞ。あ…』

同じ嗜好品を買おうとしていたのは部活帰りであろう拓実先輩

さすがいちご好き、抜かりない

『それ買うん？』

｢はい！｣

『他になんか買うもんある？』

｢ないですよ｣

アイスを2つ持ってレジでお会計を済ませ、拓実先輩はアイスをくれた

｢え！？お金払います！｣

『ええよ。この間弁当作ってくれたお礼と思って受け取って』

｢ありがとうございます。ではお言葉に甘えて｣

『うん。食べよ』

初めて食べる味だからか、発売日を待ち望んでいたからか、拓実先輩と一緒に食べているからか、いちごのアイスは凄く美味しかった

けど

湯冷めした体にアイスは毒

『これ着たら？』

｢え？｣

『寒そうにしとるで』

｢拓実先輩は寒くないですか？｣

『俺は大丈夫』

隣で凍える私を見兼ねた拓実先輩は、自分が着ていた学ラン私の肩にかけてくれた

拓実先輩の隣にいるとたまに、ふわっと香ってきていた柔軟剤のいい匂いに包まれた

｢暖かいです。ありがとうございます｣

『よかったな』

｢優しいですね拓実先輩って｣

『そうでもないで。嫌いな奴には優しくせぇへし』

｢…それはつまり告白ですか！？｣

『なんでやねん。ちゃうわ』

わかってたけど、今日も撃沈です

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