彼氏の“フリ”ってなんですか？【Issei.M】 (ページ9)

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ふぅ…とひと息ついてペットボトルのカフェラテを喉に流し込む。

気がつけば時計の針は12を指していた。

コンビニで買うか外に食べに行くか考えていると、チラッと視界に入るランチバッグ。

少し早く起きれた日はお弁当を作ろうと心がけている。

結婚したときにお弁当上手に作れないお嫁さんとか嫌だよな〜なんて、旦那は愚か彼氏もいないのにそんなことを考えている。

まあ花嫁修行をするに越したことはないよね

ランチバッグを持ってフリースペースに行こうとすれば「今日もどっか食べに行きますか？」と後ろには豆原くん。

それから視線はランチバッグに移り「え！今日弁当っすか？」となぜか目を輝かせている。

『うん、今日はお弁当作ってきた』

「それ俺が食べてもいいですか？てか食べたいです」

『え、やだ』

「いいじゃないですか。ちゃんと先輩の分のご飯買いますよ？好きなの何でも買っていいっすから！ね？」

って言うけど、そういう問題じゃないんだよなぁ…

今日のお弁当の中身は完全に自分用だし、豆原くんが食べるってわかってたら、もう少しマシなラインナップにしてたし…

「デザートも買っていいし、今日の夜も奢ります」

『いや…』

「あざっす」

『そんな聞き分けのない後輩に育てた覚えないんですけど』

「まあ結果オーライですよ」

『どこが』

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結局、会社内にあるコンビニでお弁当とスイーツを買ってもらった。

そして私は豆原くんにお弁当を渡した。

いただきますと手を合わせて、お弁当箱をパカッと開ければ「うわ、全部うまそ」と卵焼きを口に運び、その後にご飯も口の中に放り込む。

恐る恐る「……美味しい？」と聞けば口をモグモグさせながら親指を立てて、口の中が空になれば「まじでめちゃくちゃ美味いっす。本当に」と言ってくれた。