彼女にはお見通し☆ ページ9
日付変わる少し前にやっと帰宅。
『おかえり』
部屋の奥から顔を出すAさんを見ると落ち着く。
｢ただいま｣
今すぐにでも抱きしめたいのに踏みとどまった。
さっきの女性のキツイ香水の匂いが少しだが自分からすることを。
『？どうしたの』
不思議そうな顔をしてこっちに近づいてくる。
｢いえ、お風呂入ってきます｣
そのまま、リビング手前の脱衣所に逃げ込みその匂いを落とす。
『服置いておくよ』
脱衣所から聞こえてくる声に返事をしてしばらくしてから、Aさんが用意して置いてくれた服を着てリビングに向かう。
『さっぱりした？お疲れ様』
笑顔のAさんに、なんだか安心する。
｢はい、だいぶさっぱりしました｣
自分の着ているジャケットをハンガーに掛けようとした時だった。
ポケットからひらりと何かが落ちた。
心当たりのあるもがなく、落ちたものを目で追うときらびやかな名刺。
さっき店で、テーブルに置いてきた名刺が自分のポケットに入っている。
なぜかと考えていると、最後の見送りの時に入れられたのだと理解した。
Aさんがその名刺を拾い不思議そうに覗き込む。
｢いや！違うんです…連れていかれて！置いてきたんですけど知らないうちにポケットに入ってて｣
Aさんからしたら見苦しい言わけかもしれない。
『ぷッ！ごめん。世人が必死すぎてつい…』
突然の笑い出すAさん。
『気にしてないよそんなこと。世人のことだからそんなこと絶対しないって分かってるし…それに』
Aさんは、自分に近寄ると背中に手を回し抱きついてきた。
『さっきの、抱きしめたそうにしてたのにそのままお風呂にはいっちゃったから…匂い気にしてたんでしょ？ジャケットからも匂いするし』
Aさんにはなんでもお見通しだった。
『まぁ、出来れば行かないで欲しいのは本音だけど…仕事の延長線だし仕方がないよ。それに、家に帰ってきてくれれば私が独り占めできるし…』
自分の胸に顔をうずめるAさんの耳は真っ赤になっていた。
｢…Aさん好きです｣
さっき、我慢した分強く抱きしめる。
『苦しい…』
Aさんが顔を上げると、そのまま何度もキスをした。
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にる(プロフ) - てんてんさん» 初めましてコメントありがとうございます！とても嬉しい感想ありがとうございます。私も増えろと思いながら日々書いてます笑引き続き各小説よろしくお願いします！ (2020年10月5日 16時) (
レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
てんてん(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。1から読ませて頂きました！とても良かったです。2人のイチャイチャが最高に可愛いです。九重くんの小説増えろ〜って念送ってます。作者さんのほかのお話も面白くて読ませて頂いてます！ (2020年10月3日 0時) (レス) id: 78a3822a95 (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - momoさん» 初めましてコメントありがとうございます！確約は出来ないのですが、参考という形で受け取りさせていただきます。すみません！ (2020年9月24日 12時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
momo - 初めまして、いつも楽しく作品見させてもらってます！リクエストとかは可能でしょうか？喧嘩する2人の話が見てみたいです！九重小説少なくってこれからも毎日見に来ます (2020年9月24日 9時) (レス) id: b425128aa4 (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - そらさん» 初めましてコメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！ (2020年9月23日 12時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にる | 作成日時：2020年9月22日 14時
