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同棲をスタートする日。
お互いの荷物を運び入れながらふと思う。
倍率の高い国家試験をクリアして警察大学校に通っていた時から気に食わなかった世人が同期から、2年後まさか同僚に変わり、同じ部署で先輩刑事に怒られながら仕事をしていた。
それがいつの日か、信頼のできる同僚になり、友人へ変わり、今は大切な人となっている。
第4機捜じゃなかったらこんな関係にはなっていなかった。
人生何があるのか分からない。
出会う人達で全てが変わる事を。
「どうしたんですか?」
『んー?別に…。世人とこんな関係になるなんで思ってもいなかったなって。』
私の隣に立つ世人。
「そうですね…最初にムーさんに会った時に彼女候補にって言われたのに断りましたし」
『はぁ?そんなこと言ってたの?』
「はい、Aさんは酔っ払って寝てましたけど」
『…まぁ、確かにそうでしたね。』
まさか知らないところでフラれてたなんて少し傷つく。
「でも、あの時の自分に会えるんだったらさっさと付き合っておいた方がいいことを伝えたいです」
『え?なんで?』
「Aさん自覚持った方がいいですよ?自分がモテてること」
『はぁ?そんなわけ…』
「そんなわけあるんですよ。その前にそばにいれて良かったですけど…」
私の手を握る世人。
私もその手を握り返す。
『…世人こそダメだよ?ほかの女の子にデレデレしたら。ちょっと髪型変えて更にかっこよくなっちゃったし』
「安心してください…真っ直ぐ帰ってきますから」
『うん、絶対ね』
握っていた手を引き抱きしめられた。
風当たりはまだ、強い。
それでも、世人と一緒ならなんでも乗り越えられそうな気がする。
だって私は1人じゃないから。
End
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にる(プロフ) - てんてんさん» 初めましてコメントありがとうございます!とても嬉しい感想ありがとうございます。私も増えろと思いながら日々書いてます笑引き続き各小説よろしくお願いします! (2020年10月5日 16時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
てんてん(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。1から読ませて頂きました!とても良かったです。2人のイチャイチャが最高に可愛いです。九重くんの小説増えろ〜って念送ってます。作者さんのほかのお話も面白くて読ませて頂いてます! (2020年10月3日 0時) (レス) id: 78a3822a95 (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - momoさん» 初めましてコメントありがとうございます!確約は出来ないのですが、参考という形で受け取りさせていただきます。すみません! (2020年9月24日 12時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
momo - 初めまして、いつも楽しく作品見させてもらってます!リクエストとかは可能でしょうか?喧嘩する2人の話が見てみたいです!九重小説少なくってこれからも毎日見に来ます (2020年9月24日 9時) (レス) id: b425128aa4 (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - そらさん» 初めましてコメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです! (2020年9月23日 12時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にる | 作成日時:2020年9月22日 14時