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「でも、名字さんが考えてることを知って、過去を知って行くうちに、女の人がって関係ないんだなって思えてきて…自分には無いものを沢山持ってる名字さんに惹かれてました。泣く名字さんの姿はもう見たくない。守れるなら、守ってあげたい…でも、名字さんはそういうの嫌だと思うんですよね」
『…よくわかってんじゃん。』
「だから、一緒に…そばにいたいんです。そしたら守るんじゃなくって支え合える…関係を築きたい…」
段々と声が小さくなる。
私が想像していたよりもずっと私のことを考えていてくれていた九重。
私がなんと答えたらいいのか考えていると。
「…今すぐじゃなくていいんです。だから…自分と結婚前提に付き合ってください!!」
『…はぁ?!け、結婚!』
結婚なんてなんにも考えていなかった。
「…そ、そうです。結婚前提にです。それくらい真剣なんです。名字さん悪い男しか引っかかったことないから。」
『ま、まだ覚えてたのね…』
あの話をしてからだいぶ経つのにまだ、その話を引っ張ってくるあたり九重らしいといったら九重らしい。
頭の中に過ぎる、九重との将来。
『…まぁ、いっか。こんな私の事もらってくれる男もひと握りだろうし…九重がどれくらいつまらない人間か見てあげるよ』
「名字さんも覚えてたんですね」
『そりゃまぁ、傷の舐め合いしようとしてた日ですからね』
嫌味ったらしく言ってやった。
「やめてください…あの時は酔ってて」
『そうだね。酔ってた。でも、これからは酔っ払わなくても…ね?』
「っ!そういうこと言うのやめてください!」
『すぐ怒る…怖い怖い』
その後、非番なのに明日は出勤するという事で帰ると言った九重に、詳しく話を聞いた。
ドローン爆弾でエトリが死んだこと1機捜の数名がその爆発に巻き込まれて怪我をした事を。
「名字さんは、しっかり傷を治してくださいね!」
そう言って、病室を出ていく九重を見送る。
『…明日退院できるかな』
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にる(プロフ) - めろんぱんさん» コメントありがとうございます!コメントいただけると励みになります!引き続き宜しくお願い致します! (2020年9月19日 22時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - ほんっとに大好きです更新待ってますね! (2020年9月19日 19時) (レス) id: 7f8d6bcdd4 (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - 田端さん» ありがとうございます!引き続き作品よろしくお願いします(^^) (2020年9月18日 8時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
田端 - 犬猿の仲だけど心を開きつつある、そんな2人がこれからどうなっていくのか楽しみで仕方ないです。更新頑張ってください!!!!!!!応援してます!!! (2020年9月18日 7時) (レス) id: 12808757ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にる | 作成日時:2020年9月15日 12時