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重点密航が終わり、それぞれやることを終えてそれぞれが帰宅する。
大抵、私と九重のどちらかが最後に分駐所に出るが今日は私の方が早かった。
『お先に』
「お疲れ様です」
分駐所を出る手前。
分駐所の扉が開き誰かが分駐所に入ってくる。
兄「久しぶり」
『捜査一課の刑事がなんでここにいるんですか?』
まさかの兄だった。
兄「兄ちゃんに向かってそれは無いだろ」
『ですから、何故ここに?』
兄「冷たいな。芝浦署に事件の資料取りに来るついでに妹の様子を見に来ただけだろ」
数年ぶりにの再会だが別に喜びなんか感情は1ミリもない。
父の次に兄が嫌い。
兄「こんばんは、九重刑事局長の息子さんですよね?」
「…こんばんは」
兄「うちの妹がご迷惑かけてるみたいですみません」
早くこの場を立ち去りたい。
イライラしながら、兄の話を聞く。
兄「昔から、女の癖に生意気なんですよねこいつ。自分がやるって決めたことは曲げないからいつも親父や俺ら兄弟と喧嘩で。警察になるって言うのも、止められたのに無視したから家から追い出されてて。この世界女ができることなんて少ないんだから落く親父の言うこと聞いておけばいいんですけどね」
ペラペラと私のことを鼻で笑いながら話す兄。
『親のコネでしか、何も出来ない兄さんなんかに言われたくないね』
兄「はぁ?女のお前が成り上がれる世界じゃないんだよ」
『兄さん達みたいに親の名前で強がってる人間がいるから変わらないんだよ』
顔を真っ赤にする兄に思いっきり胸ぐらを掴まれる。
兄「調子乗んな」
思いっきり兄を睨みつける。
「あの」
すると九重が私と兄の間に入ってくる。
「名字さんには何も迷惑かけられてません。私は同期で今は同僚ですが、名字さんの頑張りはすごいと思いますし誰よりも努力してます。そんな人を、私は迷惑なんて思ってないです。それと、父と私は関係ないので。」
九重の背中が、すごく大きく見えた。
まさかそんなことを言われるなんて。
兄「そ、そうですか。そろそろ戻らなきゃいけないのでこれで失礼します」
兄は逃げるように分駐所を出ていった。
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にる(プロフ) - めろんぱんさん» コメントありがとうございます!コメントいただけると励みになります!引き続き宜しくお願い致します! (2020年9月19日 22時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - ほんっとに大好きです更新待ってますね! (2020年9月19日 19時) (レス) id: 7f8d6bcdd4 (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - 田端さん» ありがとうございます!引き続き作品よろしくお願いします(^^) (2020年9月18日 8時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
田端 - 犬猿の仲だけど心を開きつつある、そんな2人がこれからどうなっていくのか楽しみで仕方ないです。更新頑張ってください!!!!!!!応援してます!!! (2020年9月18日 7時) (レス) id: 12808757ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にる | 作成日時:2020年9月15日 12時