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｢3年探し続けてました。そして今日やっと見つけた。それを簡単に手放すわけないじゃないですか｣
『…なんで？』
小さな声で弱々しく話す。
｢Aさんの事が忘れられてないからです｣
『手紙は…』
｢読みました。でもあれじゃ納得できない。Aさんの気持ちはどこですか？自分の…俺ん事ば勝手に心配して押し付けられた手紙じゃ納得できん｣
『…忘れて欲しかった…私のことを…』
震える肩。
そして、自分の手に落ちる涙。
｢…忘れられません。Aさんのこと…今も変わらず愛してるんです。｣
『…うっ…う…』
小さく泣くAさんを支えながら、近くの公園のベンチに座らせて落ち着くまで待った。
話せる時までいくらでも待つ。
3年もの間待ったのだから。
｢…落ち着きましたか？｣
小さく頷く。
｢どうしていなくなったんですか？｣
数分間続く沈黙り
｢…3年間どこにいたんですか？｣
質問を変えた。
『…島にいました。数日に1回しか本土に出る船がない本当に小さな島に…』
そんな所にいたら見つかるはずもない。
｢3年間ずっと？｣
『はい…島の人達みんないい人なんです。身内がいる訳でもない私を島に置いてくれて、住むところや働く所をくれて、本当にいい人所です』
｢そうだったんですね…｣
自分が居なくても、Aさんは前に進んでいた。
それを実感する。
『でも、毎晩雲がない日は夜空一面に星空が広がるんです。九重さんと一緒に見ようって約束した星空が。あの時テレビで見たよりもずっとたくさんの星が見えるんですよ』
｢Aさん…もしかして…｣
『はい、少しずつ3年で記憶が戻りました。全部…私が暗い中に閉じ込められてたことも、九重さんが助けてくれたことも、志摩さんや伊吹さん、陣馬さんのことも全部』
Aさんの目からは大粒の涙が落ちる。
｢…Aさん｣
無意識で、Aさんの涙を自分が拭う。
『九重さん…私は普通の人じゃないんです。普通の人にはなれない』
｢普通の人とは？｣
『監 禁されて、ストーカーされてきっとこれから色々あるんですよ私には…その度に、九重さんが傷つくのは見たくないんです。足枷になんかなりたくない…九重さんが離れなくなっても離れられなくなっちゃう』
Aさんが泣く中、どこかでほっとする自分がいる。
嫌われたわけじゃなかった。
｢足枷ですか…自分は3年間休みの日はほぼAさんのことを探してました｣
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にる(プロフ) - そらさん» こんにちは！コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2020年9月26日 17時) (
レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 初コメです！久しぶりにこんなにトキメク作品に出会いました……胸きゅんしっぱなしです！これからも応援してます、無理せず頑張ってください(*´∀｀*) (2020年9月22日 0時) (レス) id: 3a64fd78e3 (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - stさん» コメントありがとうございます！何度も見返していただいてとても嬉しいです！今後の展開も是非お待ちいただければと思います (2020年9月10日 2時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
st(プロフ) - 面白くて何度も読み直してしまいました早く九ちゃんのこと思い出してあげてほしい (2020年9月9日 22時) (レス) id: 4b9d124ab4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にる | 作成日時：2020年8月26日 12時
