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来客用の布団を出してもらい、リビングに引く。
｢本当にいいんですか？私がこっちで寝ますよ｣
『いいんです。九重さんはいつもの所で寝てください。それに、布団さえあればどこてまも寝れます私は』
｢…分かりました。寝にくかったらいつでも言ってください｣
『はい。おやすみなさい』
｢おやすみなさい｣
さすがに九重さんの、ベッドを奪うことはできない。
元々、九重さん自身そのつもりだったらしいが私は何が何でも譲ることなく、九重さん感が渋々折れてくれた。
布団に入り、静まり返ったら部屋の中で1人。
目を瞑り、寝ようとすると何故かあいつとの記憶が蘇る。
今まで、保護されてから病院にいた頃は何度もあったが分駐所に来てからはあまりなかったのに。
今日、あいつの事を思い出したからなのか。
静かな部屋に小さく私の泣く声が響く。
ここまで来て、あいつの事を思い出すなんて最悪だ。
解放されても続く地獄。
いつまでも、私のことを追いかけてくる。
逃げても逃げても逃げられない。
もういっその事消えてなくなりたい。
そんなことを思ってしまう。
｢Aさん？｣
1人だったはずの部屋で、九重さんの声が聞こえる。
｢大丈夫ですか？｣
急いで、涙を吹き起き上がる。
『大丈夫です』
これ以上心配をかけてはいけない。
｢…大丈夫な顔してないですよ｣
パッと電気がつく。
それと同時に、堪えていた涙が溢れる。
『今日、あいつの事を思い出したからですかね…目を瞑るとあいつが出てくるんです…』
｢…｣
無言で私の前に座り、じっと私を見つめる。
私も、その目をじっと見つめ返す。
｢抱き締めていいですか、さっきみたいに｣
『…え、あ、はい』
一瞬何を聞かれたのかわからず、返事を返してしまう。
優しく、そっと包み込まれる。
｢嫌だったら言ってください｣
『…いえ』
心臓が早く動くが、嫌な気分ではない。
｢Aさんのことは必ず自分が守ります。泣きたい時は受け止めます。だから、1人で抱え込まないでください…｣
『…』
このまま甘えていいものなのか。
躊躇う。
仕事だから。
｢Aさんは、私が仕事の延長線でこんなこと言っていると思ってませんか？｣
『え…』
｢普通の人にはここまでしません。Aさんだからしたいんです…Aさんのことが1人の女性として好きなんです…｣
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にる(プロフ) - ｔｋｔさん» ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年8月25日 2時) (
レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
ｔｋｔ - 凄く面白いです！更新も早くて嬉しいです。頑張って下さい！ (2020年8月24日 20時) (レス) id: 5db39da5e6 (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - vivi16さん» コメントありがとうございます！ (2020年8月24日 12時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
vivi16(プロフ) - 九ちゃんメイン少ないんで嬉しいです！更新頑張ってください！ (2020年8月23日 23時) (レス) id: f899e34cf3 (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - になさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2020年8月23日 18時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にる | 作成日時：2020年8月22日 16時
