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家が近くなるにつれて、どんな顔をしたらいいのか分からず足が重くなる。

無視して、あんなところで逃げて気がついたら23時。

家が見えてくると、家の前に人影が。

「A!」

家の前には、轟くんが立っていた。

『…轟くん』

轟くんが私の目の前に駆け寄ってくる。

「どこ行ってたんだよ…心配させんな」

すると、ぎゅっと抱きしめられる。

轟くんの洋服は汗で湿っていて、私のことをずっと探し回っていたのだと思うと申し訳なくなる。

『ご、ごめんなさい』

「いや、でも無事だったから良かった…なんで下駄持ってんだ。」

『あ、ううん。あのね下駄汚れちゃった…』

うっすらと下駄の紐に着く赤いシミ。

せっかく借りたものなのに汚すなんて。

「怪我してるのか?見せてみろ…」

しゃがみ、私が履いていたサイズ違いのサンダルを脱がす。

サンダルで靴擦れの部分が見えなくなっていて、脱ぐと足は血まみれ。

「手当するぞ…」

轟くんは立ち上がるとそのまま私の背中、膝の後ろに手を回し抱えあげられた。

『え!ちょっと、歩けるよ!』

「怪我人は黙ってろ。」

私はそのまま、私は轟くんに抱き抱えられ家の中へ入っていく。

傷を洗い、消毒を。

「痛かっただろ?」

『…全然気が付かなかった。夢子ちゃんから借りたのに汚しちゃった』

「謝ればいいだろ。それに靴の心配より自分の心配しろ」

『でも…』

「…でもじゃねえよ。それより自分の心配しろよ。」

『…』

「どうせ、誰も心配してくれないと思ってるかもしれないが、少なくとも俺が心配する」

轟くんは優しく私のことを抱きしめる。

「辛かったな。もう大丈夫だ」

『轟くん…』

自然に涙が溢れ出てわたしは轟くんの肩を借りて涙を流した。

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愛菜(プロフ) - にるさん» こんばんは!こちらこそお話を考えて下さってありがとうございます!!2人とも魅力たっぷり過ぎて選べないですよね↑↑最後は2パターンあったら泣いて喜びます(笑) (2020年9月7日 21時) (レス) id: ec8eca325c (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - 愛菜さん» 最近こちら更新できていないにもかかわらずコメントありがとうございます!私もどちらも好きなので落ち悩み中なところなんですよね笑 (2020年9月7日 12時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - おはようございます!お話読ませて頂きました。高低では轟くん有剣くんが好きなので2人共出ていて嬉しい限りです!!!轟くんと結ばれるのか2人共に愛されるの捨てがたい(笑) (2020年9月6日 7時) (レス) id: ec8eca325c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にる | 作成日時:2020年8月16日 17時

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