407.辻褄（ソン・ハンビン） ページ10
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(……まずい、寝てた……ナナは……良かった、ちゃんと寝てる)
ナナと話しているうちにうつらうつらしてきてしまって。本当はナナが眠りつくまで、なんならずっと起きて見守っていたかったのだけれど、いつの間にか睡魔に負けてしまっていたようだ。
ぼんやりと目覚めてからはっとしたけれど、目の前にいるナナは穏やかな顔で小さな寝息を立てていた。それにひどくほっとする。このまま悪い夢を見ることなく、朝までぐっすり寝てくれたらいいなと思う。
(ナナのまつ毛、こうやって近くで見ると本当に長くて綺麗だなあ……)
ついナナのまつ毛に触れようとしたけれど、すぐにやめる。せっかく寝ているナナを起こしてしまうといけないからもあるけれど、それ以上に、こんな状況で自分がナナに触れていいのか分からなかったからだ。
(……ねえ、ナナ。君が女の子だって、他に誰が知ってるの？)
小さく息をついて、ナナの綺麗な寝顔を見つめながら。心の中でナナに問いかけた。
あの日。サポーターらしきものの下に隠されたナナの胸元を見て、ナナが女の子だって知ってしまった。
最初は別人なんじゃないかとか、実はナナには双子がいて何か事情があって入れ替わっているんじゃないかとか思おうとした。でも肋にあった『Nana no moe』のタトゥーで、その願いに近い考えは見事に打ち砕かれた。タトゥーの場所や詳しいデザインは知らなかったけれど、それでも目の前にいる人はちゃんとナナなのだと、ナナはずっとずっと男性のふりをしてステージに立っていたのだと、そう確信するしかなかった。
同時に、ナナのキャラクターや今までの振る舞いが、本来の性別を隠すためだったんだってことに気付いて。急に色んなことの辻褄が合って、納得した。あのサポーターも、本当の体つきを隠すためのものだったのだろう。
でも。納得はしても、すぐに受け入れられるわけじゃない。今まで当然のように男性と思って接してきたから驚いたって言葉に表せないくらい大きな衝撃だったし、悪気は無かったとはいえ女の子の素肌を無断で見てしまった罪悪感や、本当は女の子だってナナにこれからどう接すればいいんだという戸惑いから、ナナを避けるようになってしまった。
たぶん、俺がナナと意図的に離れていたことを、ナナは気付いていたと思う。それくらい俺のナナに対する態度はぎこちなくて不自然だったって、自分でもわかっていた。ハオ兄さんだって気づいたのだから。
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アップルパイ(プロフ) - Rさん» いつもありがとうございます！ 久しぶりの更新になってしまい申し訳ないです🥲 また早めに更新できるように頑張るのぜひ楽しみにしていただけたら幸いです……！🙇🏻♀️՞ (1月9日 10時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
R - いつも楽しく読ませて頂いています！更新楽しみに待ってます！ (1月8日 2時) (レス) id: 0e71c92fc7 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - おーるいんさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！ そう言って貰えると更新する活力になります〜！ これからもソンハンビンくんたくさん出てくると思うので、楽しみにして貰えたら嬉しいです☺️ (12月9日 0時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
おーるいん - 忙しい中更新ありがとうございます！めちゃくちゃ大好きなお話で、毎回とっても楽しみに待ってます！ハンビンのストーリー多くて嬉しいです^_^ (12月3日 8時) (レス) @page13 id: 50f65acc84 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - abcdさん» ありがとうございます！ 展開がゆっくりな分、なるべく更新は早くできるように頑張ります！ これからも楽しんで頂けたら幸いです🙌 (12月2日 1時) (レス) @page14 id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2023年11月28日 15時
