437.見たい ページ40
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お姫さまを守らず、そのお姫さまの最期も見届けなかった。本当にひどい騎士だ。そんなことを考えながらジウン兄さんに「本当にすみませんでした……」と謝ると、ジウン兄さんは「全然いいよ」と返した。
「まあ負けたのは残念だけど、見たいものはしっかり見れたし」
「見たいもの？ なんですかそれ」
「そりゃ…………あ、やっぱ今のナシ。気にしないで」
「ええ？」
思わず首を傾げる私に、ジウン兄さんは「あんまり調子に乗ると、後ですごく怒られるからさ」とにまにまと笑った。一体誰に怒られるのだろうか。
「まあまあ。それよりさ、ドバからウィッグ借りてきたからナナ被ってみてよ」
「……はい？」
いつの間にそんなこと。ジウン兄さんから差し出されたピンク色のウィッグに目を見開く。
「絶対に嫌ですよ。ゲーム始まる前にだって言ったじゃないですか」
「……ナナがハンビンとイチャイチャして俺のことすっかり忘れてたの、悲しかったなあ……」
「う……ついさっき全然いいよって言ったじゃないですか……しかもイチャイチャは語弊があると思います……」
「いや、あれば完全にイチャイチャだったよ。ねえ？」
そう言ってみんなに同意を求めるジウン兄さん。みんなも「ちょっと無茶があるよね」とか「そもそも一緒に同じベッドで寝る仲ですもんね」とか言っていて。一緒に寝たことはもう蒸し返さないで欲しい、本当に。
「ハンビンもナナがこれ被っての見たいよね？」
「ハンビン、別に見たくないよね？ ね？？」
「……………………正直、すごく見たい……」
「ほら」
お願いだから見たくないって言って！ 私はそんな視線をがっつりハンビンに向けていた。ほぼ睨んでるってくらいに。それなのに。ハンビンは苦しそうに眉をひそめ、しばらく黙った後、絞り出すようにそう言ったのだ。ハンビンの言葉に、ジウン兄さんはもちろん、他のみんなも大袈裟すぎるくらい喜んでいて。
ひどい。ひどすぎる。思わず「ハンビンだけは信じてたのに……裏切られた……」と呟く私に、ハンビンはものすごく申し訳なさそうな声で「ごめん……後から怒ってもいいから今は許して……」と返した。
「……先に言いますけど、似合わないですからね？」
もう味方は居ない。覚悟を決めるしかない。そう思った私は息をついた後、髪が長かった頃の自分を思い出しながらそう言った。私の言葉にみんなは「そんなわけないじゃん」と返してきたけれど。
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アップルパイ(プロフ) - Rさん» いつもありがとうございます！ 久しぶりの更新になってしまい申し訳ないです🥲 また早めに更新できるように頑張るのぜひ楽しみにしていただけたら幸いです……！🙇🏻♀️՞ (1月9日 10時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
R - いつも楽しく読ませて頂いています！更新楽しみに待ってます！ (1月8日 2時) (レス) id: 0e71c92fc7 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - おーるいんさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！ そう言って貰えると更新する活力になります〜！ これからもソンハンビンくんたくさん出てくると思うので、楽しみにして貰えたら嬉しいです☺️ (12月9日 0時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
おーるいん - 忙しい中更新ありがとうございます！めちゃくちゃ大好きなお話で、毎回とっても楽しみに待ってます！ハンビンのストーリー多くて嬉しいです^_^ (12月3日 8時) (レス) @page13 id: 50f65acc84 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - abcdさん» ありがとうございます！ 展開がゆっくりな分、なるべく更新は早くできるように頑張ります！ これからも楽しんで頂けたら幸いです🙌 (12月2日 1時) (レス) @page14 id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2023年11月28日 15時
