497.ラッキーセブン ページ50
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「ナナ兄さん、大丈夫ですか……？」
「体調悪いんですか？」
「……ホンハイ、ユンソ。ごめん、なんかすごく緊張しちゃって」
私の顔を覗き込むホンハイとユンソ。二人ともまだ呼ばれていなくてすごく不安だろうに、優しいな、申し訳ないな、そう思いながら、顔を上げる。そして二人を心配させないよう、笑顔をつくって「ほら、手汗びっしょびしょ。すごくない？」と冗談交じりに両手をみせると、二人は一瞬顔を見合せた後、それぞれ私の手をとった。
「……わ、二人ともどうしたの？ 汗ついちゃうよ」
「いいんです。ナナ兄さんの汗は汚くないので」
「ほぼ水みたいなものですよ。無臭です」
「や、普通に汚いし臭いよ……？」
ホンハイもユンソも何言ってるんだ。困惑する私を無視して、二人は強く私の手を握った。
「ナナ兄さんはぜったいに大丈夫ですよ。僕の分までステージを楽しんで、輝いてください」
「ポジションバトルでナナ兄さんと一緒にパフォーマンスが出来たこと、すごく誇りに思ってます。一生忘れません」
「……駄目だよ。ホンハイもユンソも、そんな最後みたいなこと言わないでよ……」
二人の優しさが嬉しかった反面、すごく悲しかった。二人にも次のステージに立ってほしいのに。
「続いては7位の練習生を発表します。幸運の7位の練習生は……Gグループです」
そんなやり取りをしているうちに、ミニョクマスターがそう言った。Gグループ。そのワードにホンハイとユンソが期待するように「ナナ兄さんですよ！」とぱっと笑顔を見せた。
ふと、まだ呼ばれていない上位のメンバーを確認する。ハンビン、ジャンハオ兄さん、ジウン兄さん、マシュー、ギュビン、ユジン。6人だ。今は7位。それなら。期待してもいいのだろうか。でも、本当に15位から7位になることなんて有り得るのだろうか。
「計508万5867票を獲得し生存したTOP9の7位、幸運の練習生が誰なのか発表します。7位の主人公は……」
それでもお願い。どうか私の名前を呼んで。
「——ナナです！」
ミニョクマスターがそう口にした瞬間、わっと歓声が上がって。ずっと私の手を握っていたホンハイとユンソが抱きついてきた。
「ほ……ほんとうに俺？ 俺が7位？」
「本当にナナ兄さんですよ！」
「7位です！ ラッキーセブンですよ！ 本当に良かった……」
涙声でユンソとホンハイがそう言ったのを聞いて。私はやっと、自分が生存できた事実を実感できた。
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アップルパイ(プロフ) - なっちぃさん» コメントありがとうございます。楽しんで読んでいただき本当に幸いです！ 更新空いてしまって申し訳ないです。なるべく更新ペース上げれるようにしたいので、これからもよろしくお願いします！🥲 (3月3日 23時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なっちぃ(プロフ) - コメント失礼します。楽しく読ませてもらってました！更新待ってます；； (3月1日 5時) (レス) id: 0ee3ec3e27 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - ビニさん» コメントありがとうございます！🥲💕 こちらこそいつも読んでくださりすごく嬉しいです。更新頑張ります！🙌 (2月7日 17時) (レス) @page17 id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
ビニ - いつも楽しく読ませて頂いております！お話の続き楽しみです、更新まってます！🥰 (2月5日 1時) (レス) @page6 id: 0e71c92fc7 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - abcdさん» いつも読んでくださりありがとうございます🥲💕 更新空いてしまう時もあるのですが、なるべく早く更新して完結させたい気持ちはあるのでこれからも頑張ります！ (1月28日 15時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2024年1月25日 19時
