495.八方美人 ページ48
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「ナナ、あんま緊張してない？」
ついに第二回生存者発表式の日。舞台裏で待機していたら、ジェイにそう話しかけられた。
「んー、してるにはしてるんだけど……」
「けど？」
「自分のことには緊張してないかなあって。……前回さ、ベネフィット無しの票数だけなら1位だったでしょ？ もしも次本当に1位になったらどうしよう、すごく申し訳ないなって不安だったんだけど……ほら、6話のとき15位みたいだったから。もうその心配はないなって」
そこまで言って、結構まずいこと言ったなとはっとする。
「ご、ごめん……こんな余裕ぶったこと言って……みんな次残れるかとかTOP9入れるかとか切実な場面なのに……」
「や、全然いいけど……でもナナはやっぱり、1位にはなりたくないの？」
ジェイにそう聞かれ、つい苦笑いを漏らす。
「……正直、今の自分には荷が重い気がする。あと……俺、元から知名度がある自分が他の練習生を差し置いて1位になってしまうのが申し訳ないって思うくらい、1位になったことで誰かに疎まれて嫌われるのが怖いんだろうなって。最近気づいたんだよね。多分すごく八方美人なんだよね、俺。なんかずるいね」
「……俺は、ナナが1位になっても疎んだりしないし、むしろ嬉しいよ。それにナナが誰かに嫌われたくないって理由で八方美人だったとしても、それで救われて感謝してる人はたくさんいると思う」
「そう、かな」
「そうだよ。俺もそう。だからナナは1位が1番似合うよ」
疎まれなきゃ、こんなガクッと下がらないと思うけどな。やっぱりみんな、自分に1位になって欲しくないんだよ。
そう言いそうになるのを我慢して、代わりに「ありがとう、ジェイ」と口にした。
「あ、自分の順位で緊張してなかったら何で緊張してたの？」
「ん？ ああ、『Home』のみんなが次に進めるように願ってたらだんだん緊張しちゃって……ほら、俺みんなにすごく助けられたから。だからみんなには残ってほしい」
「……」
「……なんか変なこと言った？」
急に黙るジェイに不安になっていると、ジェイは「全然」と首を振った。
「自分のことより他の人のことに緊張するなんて、やっぱりナナは優し人だなって。改めてびっくりした」
「ええ、そんなことないよ」
小さく笑いながら、ちらりと『SuperChanger』の面々を見つめる。『Home』だけじゃない。『SuperChanger』のみんなも。一人でも多く生き残りますようにと願っていたんだ。
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アップルパイ(プロフ) - なっちぃさん» コメントありがとうございます。楽しんで読んでいただき本当に幸いです！ 更新空いてしまって申し訳ないです。なるべく更新ペース上げれるようにしたいので、これからもよろしくお願いします！🥲 (3月3日 23時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なっちぃ(プロフ) - コメント失礼します。楽しく読ませてもらってました！更新待ってます；； (3月1日 5時) (レス) id: 0ee3ec3e27 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - ビニさん» コメントありがとうございます！🥲💕 こちらこそいつも読んでくださりすごく嬉しいです。更新頑張ります！🙌 (2月7日 17時) (レス) @page17 id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
ビニ - いつも楽しく読ませて頂いております！お話の続き楽しみです、更新まってます！🥰 (2月5日 1時) (レス) @page6 id: 0e71c92fc7 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - abcdさん» いつも読んでくださりありがとうございます🥲💕 更新空いてしまう時もあるのですが、なるべく早く更新して完結させたい気持ちはあるのでこれからも頑張ります！ (1月28日 15時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2024年1月25日 19時
