492.一緒に居れる方法 ページ45
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「……だから、大丈夫なんじゃないですか?」
「何が?」
「ファニ兄さんとのことですよ」
「え、」
途端にドンヨル兄さんの顔が固まる。つい笑いながら「あ、違うんですか?」と聞くと、ドンヨル兄さんは「違っ、わないけどさあ……」と眉をひそめた。めちゃくちゃ照れてる。更に笑ってしまいそうになるのを、なんとか我慢した。
「ドンヨル兄さんとファニ兄さん、シアン兄さんとミンジュン兄さんに似てるんですよね。ファニ兄さんが変なこと言って、ドンヨル兄さんが呆れてるとことか、まさにそうだなあって。まあミンジュン兄さんのがひどいですけどね。ファニ兄さんと違って、ミンジュン兄さんは天然じゃなくわざとやってますからね」
「天然は天然でひどいけどね。直りようがないし」
ファニ兄さんには悪いけど、それは確かにそうかも。苦笑いをしながら、ふと考える。
部外者だから詳しくは知らないし、聞き出そうとは思わないけれど、多分、ドンヨル兄さんとファニ兄さんはこの番組が終われば今の事務所との契約が終了するのだろう。グループ自体が解散しなくても、メンバーそれぞれの事務所が変わってしまえばグループとしての活動は難しい。つまり、実質解散の状態になる。
事務所から出ていって、グループとしての活動が無くなっても、アイドルという職業から離れても、ファニ兄さんと一緒に居たい。一緒に居れる方法を見つけたい。ドンヨル兄さんはそう思ってる。だからこそN͜͡umberが解散して、俳優とソロアーティストとしてそれぞれ活動しているシアン兄さんとミンジュン兄さんのことを聞いてきたのだろう。
「……もう一度言いますけど、大丈夫だと思いますよ」
息をついてから、私はソファを見た。
「どうだろ、そんな上手くいくかな。ファニがどう思ってるかも分からないし……」
「7年半一緒に活動したし、練習生の時も合わせたらもっとですよね? 今更他人に戻ったりしないし、ファニ兄さんも同じ思いだと思います。……でもまあ、何をするにしても同じ事務所の方がいいと思いますよ。シアン兄さんとミンジュン兄さんもそうなので」
「……そう、だよな。事務所から出て行っても、また同じ事務所に行けばいいんだ。……ありがと、ナナ。戻ったら一度ファニと話してみるよ」
「はい」
頷いてから、二人でもう一度ソファを眺める。今でもはっきりと思い出せる。ここに座って、永遠に楽しくおしゃべりをするファニ兄さんの姿を。
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アップルパイ(プロフ) - なっちぃさん» コメントありがとうございます。楽しんで読んでいただき本当に幸いです! 更新空いてしまって申し訳ないです。なるべく更新ペース上げれるようにしたいので、これからもよろしくお願いします!🥲 (3月3日 23時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なっちぃ(プロフ) - コメント失礼します。楽しく読ませてもらってました!更新待ってます;; (3月1日 5時) (レス) id: 0ee3ec3e27 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - ビニさん» コメントありがとうございます!🥲💕 こちらこそいつも読んでくださりすごく嬉しいです。更新頑張ります!🙌 (2月7日 17時) (レス) @page17 id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
ビニ - いつも楽しく読ませて頂いております!お話の続き楽しみです、更新まってます!🥰 (2月5日 1時) (レス) @page6 id: 0e71c92fc7 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - abcdさん» いつも読んでくださりありがとうございます🥲💕 更新空いてしまう時もあるのですが、なるべく早く更新して完結させたい気持ちはあるのでこれからも頑張ります! (1月28日 15時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アップルパイ | 作成日時:2024年1月25日 19時