481.ピークで最後 ページ34
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「……ナナはさ、いつも俺からずっとずっと遠くで輝いてる。今の俺じゃ全然手が届かなくて。それがすごくもどかしいし悔しいけれど、反対にやる気が出るっていうか……もっともっと頑張りたい、成長したいって思えるんだ。やっぱり、ナナは俺の一番目標とする人だよ」
「そんな。俺の方が……」
ごしごしと袖で目元を拭ってから、顔を上げて私をまっすぐに見つめてきたハンビン。ふと、第一回生存者発表式の時に言えなかった「俺だってハンビンが目標の人だよ」という言葉を思い出した。
俺の方がハンビンを目標にして、ハンビンからたくさんのものを貰ってる。ハンビンは俺の太陽みたいな人だよ。ハンビンはいつも俺に眩しすぎるくらいの光を見せてくれるし、あたたかさと優しさを分けてくれる。
俺を『Say My Name』のメインボーカルにしてくれてありがとう。俺が『Say My Name』で輝けてるなら、それは絶対にハンビンのおかげだよ。ハンビンと一緒の曲ができて、本当に良かった。ハンビンの隣にいれて嬉しい。
そんなことを言いたかった。今度こそ言わなきゃと思った。でも。
(め……めちゃくちゃ見られてる……当たり前だけど……)
刺さるような周りからの視線。一緒に寝たこととか運動会でのこととか、最近ハンビンと色々あったせいだろうか。またハンビンとナナがやってる、二人きりの世界に入ってる、みたいな微笑ましいのとちょっと呆れたような感じのそれに、どっと恥ずかしさが生まれてしまって。それ以上口から言葉が出なくなった。
「……とにかく、ありがとう。まさか俺が原因とは思わなかった」
いつか二人きりの時、言えるタイミングが来たらちゃんと言おう。大勢の前でもはっきり言葉にしてくれるハンビンに対してあまりにずるすぎるけれど、きっと二人きりじゃなきゃ上手く言葉にできないだろうし、いつか絶対に伝えるから許して欲しい。
そんなことを思いながら、小さく咳払いをして。私は誤魔化すように「人のために泣けるなんて、ハンビンって本当に心が綺麗だよね」と小さく笑う。それにハンビンもちょっと照れが混ざったように「そんなことないよ」と笑い返してくれた。
きっと、私の『Say My Name』での幸福は。何のしがらみも感じずただ充実感を感じられる時間は。ここがピークで最後だったんだと思う。
(……どう、しよう)
その後すぐ、私はある状況を目の当たりにして。ひどく頭を悩ませることになったから。
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アップルパイ(プロフ) - なっちぃさん» コメントありがとうございます。楽しんで読んでいただき本当に幸いです！ 更新空いてしまって申し訳ないです。なるべく更新ペース上げれるようにしたいので、これからもよろしくお願いします！🥲 (3月3日 23時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なっちぃ(プロフ) - コメント失礼します。楽しく読ませてもらってました！更新待ってます；； (3月1日 5時) (レス) id: 0ee3ec3e27 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - ビニさん» コメントありがとうございます！🥲💕 こちらこそいつも読んでくださりすごく嬉しいです。更新頑張ります！🙌 (2月7日 17時) (レス) @page17 id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
ビニ - いつも楽しく読ませて頂いております！お話の続き楽しみです、更新まってます！🥰 (2月5日 1時) (レス) @page6 id: 0e71c92fc7 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - abcdさん» いつも読んでくださりありがとうございます🥲💕 更新空いてしまう時もあるのですが、なるべく早く更新して完結させたい気持ちはあるのでこれからも頑張ります！ (1月28日 15時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2024年1月25日 19時
