480.嬉し涙 ページ33
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(……よし。今日もミスなくできたし、ちゃんと楽しめたと思う。多分、今までで一番上手く歌えたし……)
私達『Say My Name』1班のパフォーマンスが終わって。ふう、と小さく息をつく。胸の中は充実感でいっぱいだった。
(見てるみんなにも上手く出来てる、楽しそうだって思われてるなら良いけど……)
会場はしんと静かになっていた。似た状況を前のヨンジュン先生とミンジュン兄さんのレッスンで体験したし、パフォーマンス中に視線が自分に集まっていたのはなんとなく感じていたから、嬉しいような気恥ずかしいような気持ちで審査員をしてくれた他の練習生の方に視線を向ければ。やっぱりみんな唖然とした、でもきらきらした瞳で私を見ていた。
でも、今視線が集まっているのは私だけじゃなくて。どうやら隣にいるハンビンも注目されているようだった。
ハンビンも曲にぴったりの良いパフォーマンスしてたもんね。何処か誇らしげに思いながらハンビンに笑いかけようとしてすぐ、私は首を傾げる。ハンビンは何故か俯いていた。パフォーマンスが終わって疲れているのだろうか。
「ハンビンどうしたの？ 大丈夫？ …………えっ、」
ハンビンの顔を覗き込んで数秒後、私はぎょっとした。俯いて、片手で顔を覆って、すんすんと鼻を啜っているハンビン。つまり、ハンビンは泣いていたのだ。
とにかくびっくりしてわたわたしながら、どうしたの、体調悪いの、何処か痛いの、何か悲しいことがあったの、とハンビンに聞くと、ハンビンは勢いよく頭を振った。
「ちがう。辛いとか悲しいとかそういうのじゃないよ。だいじょうぶだから。ただ……」
「ただ？」
「……うれ、しくて」
「…………嬉しくて？」
嬉しいって、何が？ 予想外の答えにぱちりと瞬きをした私に、ハンビンは頷いた。
「ナナがすごく楽しそうに『Say My Name』のメインボーカルをしてることが嬉しくて……やっぱりナナにメインボーカルをやって貰って良かったなって。『Say My Name』のメインボーカルはナナしかいないなって。
それに、こんなキラキラ輝いてるナナと一緒の曲をパフォーマンスができること、ほんとうにほんとうに幸せで奇跡みたいなことなんだって思ったら、なんか、急に感極まっちゃって……びっくりさせてごめん」
「ハンビン……」
ハンビンは、私が理由で泣いていたんだ。悲しさじゃなく、嬉しさで。ハンビンの言葉に驚きつつも、胸がじんわりと温かくなった。
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アップルパイ(プロフ) - なっちぃさん» コメントありがとうございます。楽しんで読んでいただき本当に幸いです！ 更新空いてしまって申し訳ないです。なるべく更新ペース上げれるようにしたいので、これからもよろしくお願いします！🥲 (3月3日 23時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なっちぃ(プロフ) - コメント失礼します。楽しく読ませてもらってました！更新待ってます；； (3月1日 5時) (レス) id: 0ee3ec3e27 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - ビニさん» コメントありがとうございます！🥲💕 こちらこそいつも読んでくださりすごく嬉しいです。更新頑張ります！🙌 (2月7日 17時) (レス) @page17 id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
ビニ - いつも楽しく読ませて頂いております！お話の続き楽しみです、更新まってます！🥰 (2月5日 1時) (レス) @page6 id: 0e71c92fc7 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - abcdさん» いつも読んでくださりありがとうございます🥲💕 更新空いてしまう時もあるのですが、なるべく早く更新して完結させたい気持ちはあるのでこれからも頑張ります！ (1月28日 15時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2024年1月25日 19時
