478.気にすんな ページ31
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あんなことがあってアルバム自体が発売中止になったとしても、結局N͜͡umberが解散することになっても。最後に曲だけ公開することはできた。このアルバムはヨンジュの遺作のようなものだ。特に『Helleborus』を含めたいくつかの曲は既にMV撮影が終わっていて、そのMVは生前元気だったヨンジュの姿がたくさん映っている。
せめて、それをファンに見せてあげたかった。その気持ちはちゃんとあったのに。でも、どうしても公開しようとは言い出せなかった。社長やシアン兄さん、ミンジュン兄さんも『Helleborus』のことを話題には出さなかった、いや、私に気遣って言い出せなかったのかもしれない。
だから結局、『Helleborus』は完全にお蔵入りになって。音源とMVのデータやアルバムのサンプルは事務所に保管したまま、外に出たことがない。
そんなことを思い出して胸が締め付けられていると、ふとミンジュン兄さんが「まあ仕方ないっすね」と口にした。
「今公開しても確実に売れますよ、あの曲は。でも、今はそのタイミングじゃないんすよ。昔も。それだけです。タイミングが来ればもちろん公開しますけど」
「そっか。タイミングか」
「はい。それこそ…………あ？」
話していたミンジュン兄さんが、急に黙って。すぐにガタッと椅子が動くような音がする。まさか。
急いでこの場を離れようとしたけれど、間に合わずに後ろからぐいっと腕を掴まれた。ぎょっとしながら後ろを振り向くと、目の前には呆れた顔のミンジュン兄さんがいた。
「やっぱり……お前、何盗み聞きしてんだよ」
「す、すみません……悪気は全然なくて……」
「……何処から聞いてた？」
「え、ヨンジュン先生が話は変わるんだけど〜って『Helleborus』の話題を出したところですけど……」
そう答えると、ミンジュン兄さんは「ほんとか？」と聞き返してきて。何を疑ってるのだろう、そう思いながら「ほんとです」とこくこく頷くと深いため息をついてから「ならいい」と言った。何がいいんだろうか。
「……気にすんなよ。『Helleborus』のことは」
「……は、はい」
「ん」
「いきなりなんです……？」
急にミンジュン兄さんにわしゃわしゃと頭を撫でられていると、ヨンジュン先生もこっちに来て「ごめん」と気まずそうに言った。それに「大丈夫ですよ、むしろ普通に聞いてくれて良かったのに」と笑顔を見せると、ヨンジュン先生はほっとしたように「ありがとう」と返した。
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アップルパイ(プロフ) - なっちぃさん» コメントありがとうございます。楽しんで読んでいただき本当に幸いです！ 更新空いてしまって申し訳ないです。なるべく更新ペース上げれるようにしたいので、これからもよろしくお願いします！🥲 (3月3日 23時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なっちぃ(プロフ) - コメント失礼します。楽しく読ませてもらってました！更新待ってます；； (3月1日 5時) (レス) id: 0ee3ec3e27 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - ビニさん» コメントありがとうございます！🥲💕 こちらこそいつも読んでくださりすごく嬉しいです。更新頑張ります！🙌 (2月7日 17時) (レス) @page17 id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
ビニ - いつも楽しく読ませて頂いております！お話の続き楽しみです、更新まってます！🥰 (2月5日 1時) (レス) @page6 id: 0e71c92fc7 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - abcdさん» いつも読んでくださりありがとうございます🥲💕 更新空いてしまう時もあるのですが、なるべく早く更新して完結させたい気持ちはあるのでこれからも頑張ります！ (1月28日 15時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2024年1月25日 19時
