あまい誘惑。[ 名前変換オリジナル ]

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「お待たせしました。」


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料理が出来るまで、なんとなく黙っていた。


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気まずいとか、そんなのはなくて。
それが逆にイライラして。


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なんで?初対面でしょ?
…って、自分自身に怒っていた。


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「食べなよ。」
「あ、うん。いただきます。」


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彼は…いい人だから。
私なんかに近づかない方がいい。
そうだと分かっているのに、彼の誘いには断れない。


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断ろうとも思えなかった。


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違う、恋じゃない。
でも、ただのセ フレだとも思えなくて。


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好き…じゃないけど、嫌いでもない。
恋人じゃないけど、友達でもない。


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今までにないタイプだから、内心戸惑っていた。


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長続きはしない、そんなのわかってるの。
でも、


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続いたら、いいな。
って、そう思う自分がいた。


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「美味しい…です。」


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ウソ、味なんて分かんない。
目の前の人でいっぱいで、何も感じない。


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「だろ?小さい頃から来ててさ。ずっと推してるの。」


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そんな彼は、楽しそうに笑う。
私ばっかり。


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君は私のことなんてこれっぽっちも考えてないのに、私ばっかり。


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ズルいよ。


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無意識なら、やめてよ。
優しくなんてしないで。


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恋はしないって決めたの。
それなのに君は…


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「また、一緒に来ような。」


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それを壊そうとするんだ。


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