異名で決まる世界 ＿2＿

58話:”黒幕” ページ18

「鏡咲様、翠鳥様、もうすぐです」





ルイさんに言われて気が付き、前を見た。









もう、時計台の最上階だ。









『ヤッベ、怖ぇ』

「うん、わかるよ…何？
このボスがいかにも居そうなドアと雰囲気は」





このいかつい巨大な赤い扉は、まるで開けたら真っ黒い魔王が居て
「よくぞ此処まで来たな、褒めてやろう」
とか言われそうな感じだ。アレは最初何故褒められたのか分からなかったな…。

もしくはドラゴンが…





『行こう』





緊張で苦しくなる胸と痛くなる頭を堪えて、ドアに手をかける。手が震えて汗ばんだが



意を決して力を込めて開ける。









　









ｷﾞｶﾞｺﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞ…









　









　









耳が痛い程嫌な音を立てて、
赤い扉を開けると、其処に居たのは……。









誰かの兄弟だったとか
生き別れの家族だったとか
近所の友達だったとか
昔の幼馴染みだったとか









　








そんなんじゃなかった。









　









　









『誰だよお前』









　









　








「ぼく？ぼくですか？
ぼくはくろまくってところですね」









　





幼い声と口調をした6歳行ってるか行ってないか




身長120cm位で、黄緑色の明るい髪色で、濃い紫色の目の色をして




白い布を着ていると思ったら、デカイ服で




髪の毛が無造作にハルよりちょっと長くてちょっとボサボサで

　


ヘラヘラ見下している様に見える笑い方している少年がそこにいた。

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