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「お、目が覚めた。おーい、」
「ちょっとひとらんさん…急に声をかけては…」
視界に映るのはひらひらと動く肌色の腕。唖然と景色を見るのもここまでにし、動くその手の先に視点を合わせる。
「ちゃんと言葉は分かる？」
目があった。黒髪にマスクをつけた男の人。その隣には色素の薄い髪色と瞳を持ち汗を拭っている男の人もいた。数秒瞬き、やっと質問の意図が頭に伝わりこくりと頷く。
そして自分が寝転んだままなのにも気づき、ハッと飛び上がる。
「こ、こは！？」
「うわっびっくりした」
「お体は大丈夫ですか？怪我とかは…」
知らない場所に知らない人物。不信感が募り、距離を取る。対して二人はそんな私を不思議そうに見つめるばかりだ。
「えと、大丈夫？」
逆毛を立てる猫を相手にしているかのように黒髪の男が優しく静かな声でそう尋ねる。深い黒の瞳は日本人特有のもので、私は「はい…」と声を出す。
「驚くのも無理はないよ。君も気付いたらここに居たんでしょう？それで、役職は？どんなの？」
「………そうですけど、あの、役職って何のことですか？」
「…うん？自己紹介ってことだけど」
「…………」
私の自己紹介。そう言われてここに倒れていた以前の記憶を引っ張り出す。しかし、そこは空っぽだ。
「……A、」
「A…？」
「名前しか、分かりません…」
脳内に私の生きてきた様が見つからない。真っ白で手を伸ばしたって何もつかめない雲のようにそこには何も存在していなかった。かろうじて降ってきた言葉はA。自分が、Aと呼ばれていたこと、ただそれだけ。
「……エミさんどうするこれ。新しいパターンなんだけど」
「…えぇ、困りましたね……」
そんな記憶喪失な私を見て二人は顔を合わせる。しばらくヒソヒソと何かを話し合うと、彼らは私を落ち着かせるように微笑んだ。
「ここで一人でいるのも不安だろうし、俺たちのところにおいでよ」
「詳しい話は変わってしまいますが、私たちも似たようなものですので。仲間を紹介させてください」
「…行くって、どこにですか」
二人が羽織っていたマントを向ける。そこにあったのはやはり見覚えのない紋章だ。
「俺はひとらんらん。この国の軍人さ」
「私はエーミールと申します。よろしくお願いしますね」
彼らが軽く頭を下げ、手を差し伸べる。
「案内するよ、俺らの基地へ」
「是非お越しください。Aさん」
その手を取る他に私に残された道はなかった。
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有馬(プロフ) - 大根おろしさん» お手数おかけしまして申し訳ありません。 (2020年10月15日 17時) (
レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
大根おろし(プロフ) - 有馬さん» あー、多分バグですかね？まだ立ってますねぇ (2020年10月15日 17時) (レス) id: 105c081382 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 大根おろしさん» 初めまして、報告ありがとうございます。初めに外していて何度も確認しているのですが……もしかしたらバグか何かだと思われるのですが、まだ立っていますかね？ (2020年10月15日 16時) (レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
大根おろし(プロフ) - オリジナルフラグ立ってますよ（小声） (2020年10月15日 5時) (レス) id: 105c081382 (このIDを非表示/違反報告)
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