07. ページ7
.
ある放課後、帰り支度をしているとゾムくんが声をかけてきて彼の席に来いと言われる。訳がわからないまま彼の席に行けば男子三人がいた。
「百合、約束通り俺の友達連れてきたで。ほい、自己紹介」
「自己紹介もなにもクラスメイトやんけ」
「いや、こいつはクラスメイトでも興味がなきゃ覚えられへんからな」
「……あんさん結構失礼なこと言うてへんか？」
私を尻目に軽快なやりとりをする彼ら。
クラスメイトだから当然顔は知っているもののゾムくんの言う通り名前が分かるかと聞かれると自信はない。
置いてけぼりの私に気づきニット帽の子がおい、とその隣の金髪くんを肘で小突く。
そしてそれぞれが自己紹介をしあだ名を教えてくれた。
コネシマくんにシャオロンくん、そしてロボロくん。堅っ苦しいからあだ名で呼んでくれとコネシマくんが言うのであだ名で呼ぶことになった。
「……百合Aです」
私が自己紹介すれば三人は声を揃えて知ってる、と言う。
みんながしたからしたのにと思ったのが顔に出たのかコネシマくんは大爆笑する。
「こいつ素直やなー！」
心底楽しそうに爆音で笑うコネシマくんに呆気に取られていれば「うるさくてすまんなー」とロボロくんが頭を掻く。
「お前ロボロ、憧れの百合さんと仲良うなれるからって調子乗りやがってよぉ！」
「せやぞぉ！」
「やらしいこと考えんなよぉ！」
「考えとらんわ！」
シャオロンくんの言葉にコネシマくんゾムくんが続き、顔を赤らめ反発するロボロくん。
ワイワイと騒がしい彼らに自然と笑みが溢れる。
「……お前、笑うんやな」
「……笑うよ、普通に」
笑いがぴたりと止まるとコネシマくんが怪訝そうな顔をして言った。
「いつもボーッとしとるから感情ないんかと思ったわ」
「シッマとロボロには言われたないやろ！」
「笑うくらいするわ！」
「……そっちのがええで、百合」
不意にこちらを向いたゾムくんが言う。その言葉に他の三人も頷く。
「そやぞぉ、感情剥き出した方がモテるでぇ」
「今でも普通にモテてるよ」
ピタリとみんなの動きが止まり少しの間をおいてゾムくんとコネシマくんが吹き出す。
「お前本当素直やわー！おもろいなぁ！」
まだノリにはついて行けないけど、これからちゃんと友達になれればいいなと思った。
ゾムくんも何となく一安心というような表情をしていた気がする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
有馬(プロフ) - リンさん» コメントありがとうございます！すみません、めちゃくちゃ笑っちゃいましたwww (2020年6月26日 14時) (
レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - わい、HNのリンで名前入れてるんですが、名字と合わせると「ゆりりん」で嫌な女っぽい名前になりました(無駄報告) (2020年6月26日 14時) (レス) id: dc9aff3977 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
