15. ページ14
.
高校生最後の夏休み。
三年生の受験の関係でうちの学校は夏休みが明けて間もなく文化祭が行われる。うちのクラスはお化け屋敷をするので内装や衣装作りに時間がかかるため夏休み中に集まることになっていた。
「大変や！」
準備中のハズなのにゾムくん、シャオロンくんとどこかに消えていたコネシマくんが私の元へ来る。何事かと顔を上げると「大先生とシャオロンが……！」と慌てた様子。
コネシマくんの様子にロボロくんも不思議そうにこちらにやって来る。
「見た方が早い！ こっち来い！」
ガシッと腕を掴まれ引っ張られるから反射でロボロくんの腕を掴み道連れにすると悪い予感がするから行きたくない、と彼はジタバタ暴れていた。連行。
教室を出て渡り廊下に連れて行かれた私達。そこにいたのは消えたゾムくんとシャオロンくん、そして鬱くん。
「あ、百合さ〜ん。今日もかわええなぁ」
「大先生、キショいから口説くのやめてもらえます？」
いつもの光景、のはずなのにいつもと違うのはこれを言っているのがいつもと逆だから。つまり、ヘラヘラと口説いてきたのがシャオロンくんで心底嫌そうな顔して制止したのが鬱くんだからだ。
「シャオちゃんちゅめたい」
「俺の体でそう言うこと言わんといて？」
「ぶっ……くっ……」
状況についていけない私とロボロくんは唖然とする。そして何故だか言い合いをする二人の少し後ろでゾムくんは笑いを堪えていた。
「大先生とシャオロンがさっき衝突してん、そしたらこうなってん」
「……え？」
「「俺たち……入れ替わってる！？」」
「ぶふっ……！！」
某アニメーション映画よろしく、よくあるセリフを言う二人についにゾムくんが吹き出した。ぶつかったらこうなったって……え？
現実世界でそんなことありえるの？ いやでも、ぶつかった衝撃でなんかしらのショックが起きちゃったらある……？ そんなわけ……。
「……シャオロンくん……？」
「そうやで」
鬱くんの姿、声をしたシャオロンくんに聞けば迷わず首を縦に振る。
「鬱、くん……？」
「なぁに、百合さん？」
シャオロンくんの姿、声をした鬱くんに聞けばこちらも否定せず小首を傾げる。
「本当に入れ替わってる……」
「ぶっ……！！」
クツクツと笑っていたゾムはまた吹き出し今度こそお腹を抱えて笑い出した。そして釣られたのかコネシマくんも大爆笑している。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
有馬(プロフ) - リンさん» コメントありがとうございます！すみません、めちゃくちゃ笑っちゃいましたwww (2020年6月26日 14時) (
レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - わい、HNのリンで名前入れてるんですが、名字と合わせると「ゆりりん」で嫌な女っぽい名前になりました(無駄報告) (2020年6月26日 14時) (レス) id: dc9aff3977 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
