【d!】ヘビースモーカーと嫌煙家【z/m】

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蕎麦を食べ終えオフィスに戻り何事もなく午後の仕事は始まった。
いつも通り仕事をこなして行き夕方にもなると昼食後に吸ったニコチンは切れてくる。


集中力も切れてきて昼のモヤモヤした映像まで思い出すようになり、大きく息を吐き席を立ち喫煙所に行くことにする。


喫煙所に入ると先客がいた。
今日はよくここで人と出くわす、と昼間のショッピくんを思い出し目が合った先客の彼に会釈をするとふにゃりと笑ってあちらも会釈する。


流石に初対面なので一番端に腰掛けいつも通りタバコに火をつける。
肺に吸い込んだ煙を吐き出すため少し上を向くといつもの癖で紫煙を眺める。


私の上げる煙と少し離れたところが、上がる煙が天井付近でふわりと広がり交わる。


「貴方みたいな綺麗な人がタバコ吸う姿は絵になりますね」

「あはは。そんなこと初めて言われました」


突然声をかけられたことに拍子抜けして一瞬固まるが社交辞令であろう言葉に素直にお礼を言うと彼はまたふにゃりと笑って眼鏡を直した。


「僕のが後輩なんですから敬語とかいりませんよ？」

「そうなんですか？」

「噂はかねがね。向井Aさん」

「え、誰から…」

「こんなべっぴんさんなら俺のが先に会いたかったな」


いつのまにか真隣まで来ていた彼は私の髪を掬い妖艶に笑い喫煙所を後にした。



「どこかで見たことある気がするけどすっごいジゴロっぽい…」


メガネの彼の背中を見ながら思わず思ってることを煙と共に吐き出してしまった。


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こんにちは、こんばんは。有馬です。
青い鳥にて気が向いたらお話の裏話や全く別の話など呟いています。よかったら覗いてみてください。
@__ariiiima__

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