かっとう３ ページ30
narration
「お部屋の中に入るよ」
先生にだっこされた翔くんはぎゅっと目をつぶり、
エプロンに顔を押し付けます。
「お部屋通れたね！すごいすごい！」
無事に通過し、拍手をして褒めてくれる先生ですが、
翔くんは涙をぽろぽろ零します。
先生は「雰囲気がダメなのかな？」とか
「うるさいのかな？」とか、様々な要因を考えますが
それを確かめる術はありません。
言葉で上手く伝えることができない翔くんは
「イヤ！」という気持ちを全身で表現しますが
具体的に、なにが嫌なのかを伝えることは
まだできません。
--
おむつを替えてもらったあと、まただっこで
部屋を通り抜けました。
翔「…ぐすっ……」
「えらかったね、翔くん。
お部屋通れたね？
なにして遊ぼっか？お外に行く？」
靴を見せて先生が聞きますが翔くんは見向きもせず、
部屋の中にあるブロックを見つめます。
「ブロックで遊ぼっか。
翔くん、取れるかな？」
入口のすぐ近くにあるので、
手を伸ばせば取れます。
先生は翔くんに取ってもらいたくて、
手は出しません。
翔「…ん、んっ！」
先生の手を引っぱって、部屋の方に投げた翔くん。
これはクレーン現象といって、“なにか”を
してほしいときに相手の手を引っぱって、
その“なにか”を達成しようとする動作のことです。
自閉症の子どもの多くに、この動作が認められます。
今の場合は、先生にブロックを取ってほしいみたい。
「翔くん、ちょっと手を伸ばしてごらん？」
ブロックを部屋のギリギリのラインまで
先生が近づけました。
すると、翔くんが手を伸ばして取りました。
「翔くん、すごい！手がお部屋に入ったね！」
翔「…ん！」
褒められたとわかった翔くんはニコニコ。
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ゆず(プロフ) - 未来さん» リクエストありがとうございます！お時間いただきますが、必ず書かせていただきますので、少々お待ちくださいませ。 (2019年7月3日 22時) (
レス) id: 5c47aca7cb (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 話を聞く､というお話が読みたいです｡二人とも排便は自立で｡よろしくお願いします! (2019年7月3日 22時) (レス) id: ae35368d95 (このIDを非表示/違反報告)
未来 - ある日､異変を感じ病院に行くとADHD＋LD(軽度~中度)と言われた｡兄達に迷惑をかけたくなくて､黙っていることにした｡パニックを起こしているのを見られたくないので､次第にひきこもるようになり､兄達も和也さんが落ち着いた時に部屋に入り､翔さんの (2019年7月3日 22時) (レス) id: ae35368d95 (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 早速ですが､二回目のリクエストよろしいでしょうか?また翔さんメインで中学生｡他のメンバーは高校生で兄弟設定でお願いします｡翔さんといちばん年齢の近い､和也さんは軽度の自閉症持ちで､翔さんも含む他の兄弟は和也さん中心で家族が動いている｡ (2019年7月3日 22時) (レス) id: ae35368d95 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 未来さん» コメントありがとうございます！お待ちしています！ (2019年7月3日 21時) (レス) id: 5c47aca7cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず
| 作成日時：2019年5月22日 22時
