かっとう６ ページ33
satoshi
翔「…んっ」
「降りる？」
先生の腕の中でバタバタ動き始めた翔。
床に降ろしてもらうと、
部屋の入口のすぐそばまで歩いてきた。
翔「んっ」
「ちゃんとここにいるよ？」
振り向いて、先生のエプロンを握った翔。
我が道を行く感じだったのに、
先生の存在を確認した。
成長しているんだね。
そしてなんと、翔が部屋の中に足を踏み入れた。
『あっ！しょうくん！』
園児のひとりが声を上げて、翔を指さす。
それを見た先生はピアノを弾き続けてくれる。
園児も、歌が終わったのに歌い続けてくれている。
保護者は少しざわついた。
「翔くん、すごいね！
ピアノのところまで行ってみよっか？」
先生の問いかけには答えないけど、
翔は先生のエプロンを掴んだまま、
ピアノに近づいていく。
すごい、すごいよ翔！
2か月間、ずっと入れなかった部屋に
入れた上に、興味のあるピアノに自分から
近づいている。
そして見事、ピアノに辿り着いた翔。
「翔くん、すごい！」
いつも翔と一緒にいてくれる先生の目には
涙が浮かぶ。
僕もいつの間にか、泣いていた。
翔「…ぅわぁぁんっ」
ピアノの音が止んだらまた泣き出したけど、
部屋から出ることはしない。
智「……すごいよ、翔…！」
この頃には、ほかの保護者の視線なんか
気にならなくなっていた。
今は、ただただ翔が誇らしい。
朝の会が終わってもピアノから離れない翔。
ほかの園児や保護者は外に移動している。
翔の前にしゃがむと、笑顔になって抱きついてきた。
翔「…きゃっ！」
智「すごいね、すごい！
えらいね翔、ちゃんと中に入れたね」
ぎゅ〜っと抱きしめて頭をなでる。
ゆっくりだけど、翔は着実に成長している。
それを実際に見ることができて、嬉しかった。
今日をきっかけに、翔が“障害児”であることを
受容できた気がする。
着実に成長しているとはいえ、
できないことが多いことは事実。
それを受け止めて、翔に合うのはどういう支援か
これから考えていくからね。
end
‐‐
様
お待たせいたしました！
リクエストありがとうございました！
葛藤している様子をうまく書けたでしょうか…？
またのリクエスト、お待ちしています。
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ゆず(プロフ) - 未来さん» リクエストありがとうございます！お時間いただきますが、必ず書かせていただきますので、少々お待ちくださいませ。 (2019年7月3日 22時) (
レス) id: 5c47aca7cb (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 話を聞く､というお話が読みたいです｡二人とも排便は自立で｡よろしくお願いします! (2019年7月3日 22時) (レス) id: ae35368d95 (このIDを非表示/違反報告)
未来 - ある日､異変を感じ病院に行くとADHD＋LD(軽度~中度)と言われた｡兄達に迷惑をかけたくなくて､黙っていることにした｡パニックを起こしているのを見られたくないので､次第にひきこもるようになり､兄達も和也さんが落ち着いた時に部屋に入り､翔さんの (2019年7月3日 22時) (レス) id: ae35368d95 (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 早速ですが､二回目のリクエストよろしいでしょうか?また翔さんメインで中学生｡他のメンバーは高校生で兄弟設定でお願いします｡翔さんといちばん年齢の近い､和也さんは軽度の自閉症持ちで､翔さんも含む他の兄弟は和也さん中心で家族が動いている｡ (2019年7月3日 22時) (レス) id: ae35368d95 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 未来さん» コメントありがとうございます！お待ちしています！ (2019年7月3日 21時) (レス) id: 5c47aca7cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず
| 作成日時：2019年5月22日 22時
