いや、マジで勘弁してください。【文スト】

睡眠消費会社と元事務員 ページ12

急いで銃を匣に仕舞うと、そのまま真っ先に二人がいる船へ向かった。


流石に海の上を泳ぐのはめんどくさいので、念のために置いておいたジェットスキーに乗って向かった。



＿＿＿＿＿パリィン。



船の防弾使用の硝子を容易に狙撃銃の銃口で割る。


あ、この硝子幾らぐらいしたんだろ.........まぁ、もうそんなこと関係ないよね！


何故なら、船内は血の海と肉の塊だけが残っていたのだから。


思わず異臭と鉄の臭いに顔をしかめる。周囲には銀色のワイヤーみたいなものが張り巡らされていた。



『......あー...もしかして此れを凶器にしたのかな？先ずあの二人がやった訳じゃないだろうし...』



ワイヤーには血が結構ついていた、ほっとけば鉄についている錆みたいな臭いを放ってくるだろう。


無線では「敵に勘づかれた」とか云ってたけど、勘づかれただけでこんなに無惨になるのか？


しかも関係ない人間も巻き込まれてるし。


まぁ、こうなってもあの人は連絡してきたってことは......ここの部屋には居ないみたいだけど、十中八九生きてるんだろう。



『しかし、なんだこの糸.........透明で強度がある。此れをやった人が自分で作ったのかな？

にしては...初めて見たな、後で太宰幹部に聞こう。

切り口は結構出来ている、素人じゃできねぇわな、これ』



私はポケットから仕事用の携帯を出して、芥川さんに掛けた。


しかし、ザァァァァァ、と砂嵐の音が鳴るだけで返事も来ない。


妨害電波が働いてるな、こりゃ結構何人か関わっていやがる。


先ずは、電波妨害装置(ジャミング)を破壊しなきゃ本部と連携が取れない。



『はぁ.........先ずは、あの喧嘩上司共と合流しなくちゃ......』



めんどくさい......どうして私って裏社会なんかに就職しちゃったんだろう......。


帰ったら報告書を書き上げて、部下と明日の予定徹夜で組み上げて、太宰幹部の仕事手伝って、芥川さんの精神安定させて、エリス嬢の世話して、植物と会話して......


あれ？ここ、ブラック企業通り越して、睡眠消費ブラック企業じゃない？


地獄じゃん、「等活地獄」通り越して「阿鼻地獄」じゃん。


※「阿鼻地獄」は地獄の中でも一番過酷な地獄のことです。


あぁ、求人のポスターをちゃんと読んでいればこんなことには......。


というか何でこんな過酷な任務ばっかり双黒とやんなきゃいけないの！？意味わかんないよ！


あぁ...十一ヶ月十六日前の私に戻りたい、事務員の仕事だけやりたい...。


あ、でも後三時間で日付変わるから十一ヶ月前十七日前だ。

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