【派生作品】月の少女の記憶の欠片【Mostro Mask】 (ページ5)

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「あれ、ルナ……寝ちゃったな。あんな窓辺で何もかけないで寝たら風邪引くぞ…」

「お姉ちゃん……寝ちゃったの？風邪ひいちゃうよ……。」

いつの間にか眠ってしまっていたルナに気がついたカイが、ルナにそっと毛布をかける。
ナターリアが小走りで近寄ってルナの顔を覗く。

「……さ、部屋を変えよう。ここで騒いでルナを起こしたら可哀想だ。隣の部屋でも静かにな。」

カイが小さな声で部屋の外に出るように促すと、子供たちがぞろぞろとドアへ向かう。

そんな中ナターリアだけがふっと思い立ったように方向を変えてルナの方へ走る。
一度転びそうになったもののなんとか無事に窓辺にたどり着き、ルナの横に座った。
そしてルナのかけている毛布の端をちょっとだけ引っ張って、嬉しそうに目を瞑る。

それをみた周りの子供は「いつものことだった」とナターリアが走り出した原因に納得した。
最後の一人が部屋の電気を消すと、月明かりが二人を照らす。

このあとルナの毛布が無くなって、隣で毛布にくるまって寝ているナターリアを見つけるのはまた他のお話。