Her way only 〜彼女だけの道〜 ページ16
「ふふ、朝日が綺麗。昨日の雨もあって、とても涼しいわ……。」
冷んやりと吹いてくる風に、黒髪とシフォンドレスを靡かせながら歩を進める。
瓦礫なんてないかのように、ハイヒールでしっかりと。
「ついこの間まで、とても賑やかで、色とりどりで………命に溢れていたのに……。」
足元を見ると、小さな人形が落ちている。
軽く裾を持ち上げて、その人形を手にとる。
「愛らしいお人形……。きっと持ち主の女の子も、このお人形と同じくらいに愛らしいことでしょうね……。」
お人形を丁寧に瓦礫の上に乗せて、髪に飾っていた花を一輪添えた。
その花の花弁に雫がついているのは、昨日の雨か、麗華の涙か。
「沢山の命が消えた場所……私の生まれ育った場所……。」
呟くように零した言葉は、愛おしいそうで、苦しそうで、悲しそうで、儚くて。
そっと吹いてきた風に、すぐ掻き消されてしまう。
ふふ、と笑って顔を上げる。
「この場所を、この程度では終わらせません。例え夢物語でも、
……私は、美しい笑顔と笑い声で溢れた都市に変えてみせます。」
そう宣言して、あるクラシックをハミングをする。
ーーーーーーーーー
その直後、彼女の髪には花が差されていた。
氷でできた、一輪のバラ。〜
そして同じものが、彼女の部屋であった場所にも落ちていた。
『Until the day we meet again by Reika』と、彫られていた。
ーーーーーーーーー
お昼どき、1人の男性がスーツを着て、瓦礫の上に立っていた。
「お父様……。お久しぶりです。ごきげんよう……！」
「麗華……！！」
氷のバラを髪に差した少女を、大切そうに抱きしめる。
「お父様は、まだ廃れていらっしゃいませんでしたね。……私に、協力してくださいますか？」
「勿論だ。麗華に協力することを約束しよう。」
地平線を眺める彼の目には、何が映っていたのだろう。
きっと、それは＿＿＿＿＿＿
Adopted child→←Her way only 〜彼女だけの道〜
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かいs(プロフ) - カレーライスさん» ありがとうございます！大切にお借りします。カレーライスさんの小説も、楽しみにしています！ (2018年8月27日 20時) (
レス) id: e05f2efe8a (このIDを非表示/違反報告)
カレーライス(プロフ) - 剣士と麗華ちゃんのお話、私の小説の方でも書かせて頂きますね！剣士使ってくれていいですよ！(｀･ω･´)ﾌﾝｽｯ！ (2018年8月27日 19時) (レス) id: a859e8d67f (このIDを非表示/違反報告)
まぁち(プロフ) - 全然大丈夫ですよ！更新、頑張ってください！！ (2018年8月27日 17時) (レス) id: 0a3bfc1ea3 (このIDを非表示/違反報告)
かいs(プロフ) - まぁちさん» 私も嬉しい……！(嬉し泣) 更新頑張ります！こんな感じで大丈夫ですか？ (2018年8月27日 16時) (レス) id: e05f2efe8a (このIDを非表示/違反報告)
まぁち(プロフ) - わ、わぁ…！絢音が麗華さんとクッキング…！！← 嬉しい…！続き楽しみにしてますね！！（嬉し泣） (2018年8月27日 11時) (レス) id: 0a3bfc1ea3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
