一等星の彼女が、闇に隠れた訳【掃き溜めの星】

Nr.2 ページ2

「麗華さん、麗華さん！この問題、どう解くのですか？」

「委員長！この問題点、改善索を練る会議を開きたいです！」

「月詠さん、文化祭の実行委員長をお願いしても良いかしら？」

麗華さん、委員長、月詠さん……。

毎日、私を呼ぶ声がする。

『委員長だの部長だの会長だの、何でもやって円滑に進めて、立派に結果を納めていた。』

中学進学時に、小学校の先生が私の様子を伝えた言葉を聞いて、呆れたわ。

美辞麗句を並べ立てたような、とんでもない文句。

お陰様で、中学校に進学した後も……今も、この有り様。

一年生後期から生徒会長だなんて、何の冗談かしら？

そして今現在、私は二年生になっても、生徒会長を務めている。

仕方がないのはわかるわ。この学校は実力主義。

一年生でも、優秀ならば見てもらえるし、逆もある。

聞いたことはないけれど、きっと……いえ、絶対に私を恨む上級生は沢山いるわ。

でも、誰も声に出さない。何故なら私には、『いくつもの後ろ盾があるから』

両親、お金、取り巻きにも見える上辺だけのお友達。

お父様は警察庁長官。お母様は、沢山の世界的ブランドの社長。

私も、バレエ、スケート、弓道、フェンシング、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、トランペット、ホルン、トロンボーン、フルート、琴、クラリネット、オーボエ……………。

国際大会並みの規模で優勝したことなんて沢山ある。

ここまで来ると、もはや賞状もただの紙。

でも……自身で決めたことならば、賞状をただの紙だなんて言わないわ。

ほとんど、お父様とお母様が決めたこと。

40も体験した習い事の中で、私が決めて始めたものはたったの8個だけ。

5分の1だけなの。

「貴方ならできるわよ。」

「麗華なら、やれるはずだ。」

……何故、そこまで期待して、信じて、押し付けるのです？

普通の生活を送りたい。

仲の良いお友達も作りたい。

ただ……ただそれだけ。願うことはこれだけ。

＿＿けれど、完全に普通で無くなってしまう運命は、もう、すぐ目の前にあって……。

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