真夏のヒロイン

# 22 ページ22

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廉「 はあああ？なんで東京カンパネラ？」


「 ええやんカンパネラ！文句ある？ 」


廉「 おれは東京バナナの方が好きや 」


「 何でもええって言うたやん！！」





じゃあ東京バナナって言えよ！なんて
新学期早々クソしょうもない言い合い 。


我ながらもっと普通に会えた嬉しさを
表現できないものかと思う 。



… お土産にケチつける廉も廉だけど！





廉「 … まあええわ 、カンパネラも好きやし 」


「 最初からそう言えばええねん 」





スカイブルーのような澄んだ水色の袋を
机の横に掛ける廉 。


ちょっとむすっとした顔がミスマッチで
愛おしい 。







、







担任「 いや〜みんな焼けたな！さぞ遊んだん
やろうな！証拠に課題が全っ然出てません！」





薄っぺらい課題の山を見て藤井先生が恐る 。


そういう先生も相当焼けてる気が 。
サッカー部の指導によるものだろうか 。





担任「 罰として席替えや！！」





は？って 、クラス中が固まった 。

相変わらず不思議な思考回路だ …





… って






廉「 は？ まじで？ 」






… あ 、廉とお別れなのか 。






「 急すぎひん？笑 」






そう笑って廉に言うけど 、
脳みそはまだ理解できてなくて 。


まだ新学期始まって課題出して
HR始まったばっかりじゃん 。


廉にお土産渡しただけなんだけど 。




… 罰ってこういうことか 。






廉「 課題出してへん奴まじクソやろ 」


「 まあ準備とかあった子もおるしな … 」


廉「 おれ部活と準備あったけどちゃんと
やったべ？ なんなん？ 」






席替えは喜ぶ人ももちろん多い 。


でもなぜか 、私だけならまだしも
廉まですっごく不機嫌だった 。






、






まだ廉と隣でいたかったなーという思いも
虚しく
新しい私と廉の席はあっけなく離れて 。





廉「 何番？」


「 １２番 」


廉「 えー後ろやん！ずる！」


「 … 廉は？ 」


廉「 ３番 。もう流星嫌い 」


「 まーまー 笑 」





窓側から２番目の１番後ろ 。

今まで廉が座っていた席の後ろの席 。


私の新しい席はそこだった 。


廉は窓側の前から２列目 。





「 … 廉 、私この席でよかったわ 。
おかげで廉と仲良くなれたし 」





別れ際 、私は思わず廉にそう伝えた 。


もう頻繁に話すことはない気がして
今のうちに伝えておきたくて 。


そしたら廉は 改まってなんやねん 、って
笑ってた 。






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