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「らいたーん！ほら、お土産やで！」
大好きなアンパンマンのおもちゃ
ダイヤルを回すと、
アンパンマンと電話ができるらしい
「わあぁ！すごーい！大兄ちゃん、ありがとお！」
おもちゃを抱きしめて、さっそく電話を掛けてみる
「もしもし、らいたぁです…あんぱんまんでぅか！」
「ふふ、かーわいっ」
「もう、毎回おもちゃいいのに。悪いよ」
「えーのえーの。俺がしたいだけ」
大吾くんはそう言って、ジンジャーエールを手に取る
「どう？暮らし慣れた？」
「まぁ、…だいぶね。らいが熱出したらどうしようとかばかり思ってるけど…ふふ、情けないよね」
「まあしゃーないよ。なんでも初めてなんやから」
「そうやけど…」
「あ、関西弁」
「…え？」
「だってA、急に標準語喋ってるから」
「あ、あぁ…ほんとだ。まだ3ヶ月しかいないのにね、東京」
「流されやすいんとちゃう？」
「そんなこと…」
「で、せやけど、なに？」
「……、私がこうやって頼りないのも、やっぱり年齢もあるし、らいにとって悪い親なのかなって、思った、り…ね、」
「はぁ…、」
大吾くん、大きなため息。
グラスをテーブルに置いて、私の目をじっと見た
「そんなん思ってたらあかん。あんなぁ〜、」
少し怒り気味の口調になる
「らいにとっては母親はお前しかおらん。それに、いくら適齢期で産んだとしても、母親初心者には変わらへんねん。Aは確かにまだ若いけど、年齢のせいにはしたらあかん」
大吾くんの言葉は、私の心にぎゅってきた
「らいみてみ。こんなににこにこええ子に育ってる。Aがあかん親なわけないやろ？…な？」
らい…
「ふふふ、あんぱんまん、いまぱとろーるなの！」
らい…
私は目の前のらいを
精一杯抱きしめた
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作者名：Ciel | 作成日時：2019年2月15日 20時
