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グラウンドに目をやると、永瀬廉がすごいスピードでボールを蹴ってシュートしていた
彼は、成績優秀でルックスは整いすぎている
彼女と彼は幼馴染らしい
いわゆる、優等生だ
俺なんかとは全然違う
なんにせよ、彼女は俺なんかといるより彼といたほうが幸せになれるのだ
そんなの、彼女の恋を応援する他はない
こんな道を逸れた俺なんかより、絶対
『 しょーう 』
聞き慣れた声が後ろから聞こえる
なんなんだよ今日は
『 止めてくれてありがとう 』
なんだ、気づいてたんだ
まあ、そりゃあ気づくか、直球だったし
「 なんのこと？」
『 んーん、なんでもない 』
彼女は俺の隣を歩く
いいのかよ、グラウンドすぐそこだけど
「 なあ 」
『 なに 』
「 なんで腕切ったの 」
『 なんとなく？』
「 そう 」
『 うん、そう 』
彼女は何故か俺に向かって、申し訳なさそうな顔をしたけど見ないふりをした
『 よく気づいたね 』
「 残暑にカーディガンはわかり易すぎ 」
『 廉は何も言ってこなかったよ 』
「 優しいからな、永瀬は 」
『 そうかもね 』
「 あのさ 」
『 何？』
「 好き 」
言う気はなかった
さっきだって嘘をついたし
『 今更だね 』
「 なんで分かったんだよ 」
『 紫耀は天邪鬼だからね 』
「 うるさ 」
それから彼女とたわいもない会話をして別れた
結局、彼女と気持ちが同じになることは無かったけど、ちょうど良かった
明日、俺が転校したことを知ってもきっと彼女は驚かないだろう
お互い勘ぐりあって過ごす屋上はたまらなく息苦しくて、たまらなく楽しかった
温いくらいの温度で、また会えたらいいね
fin.
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陽(プロフ) - だださん» わあああ、ありがとうございます（ ; ; ）どのお話も綺麗なハッピーエンドに出来なくて申し訳なく思ってたのですが、お言葉とても嬉しいです（ ; ; ）ありがとうございます、！ (2019年11月23日 14時) (
レス) id: 4f815a03de (このIDを非表示/違反報告)
だだ(プロフ) - 更新心待ちにしておりました！嬉しいです(;-;)陽さんの書く切ないお話がとっっっても好きで、毎回胸を締め付けられます(;-;)全部好きなんですけど、特に飛翔のなんとも言えないむずむずが最高でした…！今回の甘味も切なくて素敵でした！これからも頑張ってください！ (2019年11月23日 10時) (レス) id: f8fe4bbe58 (このIDを非表示/違反報告)
陽(プロフ) - 霞草さん» こちらこそありがとうございます(; ;) (2019年11月1日 20時) (レス) id: 4f815a03de (このIDを非表示/違反報告)
霞草(プロフ) - すごく好きです。丁寧な文章と、温かい確かな記憶がとても素敵でした。感動をありがとうございました。 (2019年10月30日 22時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽 | 作成日時：2019年8月29日 0時
