線を引く ページ1
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「 平野さん 」
隣の席の�盒兇�んは、最近やけに私に話しかけてくる
周りが言うにはどうやら彼は私に好意があるらしい
別に知らないけど
『 何？』
「 Aちゃんって呼んでもいい？」
前言撤回。
全然知らなくない、これは確実にそうだ
『 好きにしていいよ 』
「 んふふ、嬉しい 」
何が嬉しいのかわからないけど、そう言うと�盒兇�んは私に向けてとびきり可愛い笑顔を私に向けた
�盒兇�んには申し訳ないが、あいにく私は彼に対してなんの感情も持っていない
ましてや、これから彼に好意を持つ気もない
もともと私は、人に好きとか嫌いとかそういう感情を持つことがあまりにも少ないのだ
それに、�盒兇�んはお兄ちゃんに似ている
簡単に言えば、誰にでも優しい
泣いてる子がいれば、一日中その子のそばにいてあげられるくらいには、みんなに平等に優しい
お兄ちゃんと一緒
放課後を知らせるチャイムが鳴ると、�盒兇�んは私に明日ねと告げて、大きな部活のバックを背負った
私も、彼に別れを告げ教室を出る
それなりに友達はちゃんといる
移動教室だって1人になることは無いし、行き帰りだって基本一人だが友達を見つければ一緒に行くくらいにはちゃんと
今日は家に帰りたくなかった
今日は、というか、いつも、だけど
帰宅部の人達がぞろぞろと門を出て、私もその波に乗って学校の最寄りの駅を目指す
ふと、少し前にいる男の子に目がいった
永瀬廉。
よく�盒兇�んの席に話しに来ているから、知ってる
彼のことも、別に好きでも嫌いでもない
ただ、少し興味はある
彼は時折、どこか遠くを見るように私の目をじっと見つめる
話したこともなければ、名前を呼んだこともないのに目が合うのだ
彼だって、�盒兇�んと同じくらい人気者だし色んな女の子が 廉くん廉くん と近寄っているのをよく見る
ただ、あの焦点が合っているのかわからないようなボーッとした目はどの女の子にもしない
私と目が合う時だけ、本当にその時しかしない
彼には、私の好奇心が反応する
それは多分、�盒兇�ん側じゃなくて私側の人間だと勝手に思っているからだ
世界には、生きる境界線がある
ほら、類は友を呼ぶ、とかそういう類の
フリをするのが得意な者は向こう側にも馴染む
私とか、永瀬廉みたいに。
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陽(プロフ) - だださん» わあああ、ありがとうございます（ ; ; ）どのお話も綺麗なハッピーエンドに出来なくて申し訳なく思ってたのですが、お言葉とても嬉しいです（ ; ; ）ありがとうございます、！ (2019年11月23日 14時) (
レス) id: 4f815a03de (このIDを非表示/違反報告)
だだ(プロフ) - 更新心待ちにしておりました！嬉しいです(;-;)陽さんの書く切ないお話がとっっっても好きで、毎回胸を締め付けられます(;-;)全部好きなんですけど、特に飛翔のなんとも言えないむずむずが最高でした…！今回の甘味も切なくて素敵でした！これからも頑張ってください！ (2019年11月23日 10時) (レス) id: f8fe4bbe58 (このIDを非表示/違反報告)
陽(プロフ) - 霞草さん» こちらこそありがとうございます(; ;) (2019年11月1日 20時) (レス) id: 4f815a03de (このIDを非表示/違反報告)
霞草(プロフ) - すごく好きです。丁寧な文章と、温かい確かな記憶がとても素敵でした。感動をありがとうございました。 (2019年10月30日 22時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽 | 作成日時：2019年8月29日 0時
