あなたの隣にいたいのです【大橋和也】 (ページ7)

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鈍感すぎるページ7

大橋side

西畑「Aちゃん後で話聞いて～？」

A「どうしたんですか？」

西畑「相談あんねん」

事務所での打ち合わせを終え、各々帰り支度をする中で大ちゃんが猫撫で声を出した。

A「今から聞きましょうか？」

西畑「ほんまに？助かるわあ～」

そう言って隣の会議室へ移っていった2人の背中を見送る。

藤原「大吾ってほんっまに露骨よな～」

長尾「ですねえ」

謙杜と丈くんがニヤニヤしながら顔を見合わせた。

藤原「分かりやすいにも程があるやろ」

道枝「あれは僕でも気付きますよ！」

藤原「今に始まったことちゃうけどさ、最近更にえぐない？」

高橋「いや、それ俺もずっと思ってたんすよ。」

大橋「何何？何の話？」

盛り上がるメンバーについていけず、焦って話に割り込む。

藤原「…は？」

長尾「え…大橋くん気付いてへんのすか？」

藤原「お前…みっちーでさえ察してんのに」

大橋「え…何を？」

藤原「この流れで分からへんの？」

大橋「え…うん」

その瞬間全員の視線がこちらに集中した。

大西「あーでもほら、大橋くんこういうことに関しては鈍感やから」

藤原「鈍感すぎるやろ」

高橋「鈍いっすね～」

大橋「やから何の話？俺にも教えてよ～！」

丈くんが勿体ぶって溜め息をつく。

藤原「大吾が…」

長尾「大吾くんがAちゃんのこと好きって話です！」

藤原「謙杜お前…俺が言おうとしたのに」

大ちゃんがAを？

困惑して謙杜の言葉を何度も頭の中で繰り返す。

大橋「それ皆知ってんの？」

俺の問いかけに頷く5人。

高橋「めちゃめちゃ分かりやすいっすやん。」

藤原「顔に"好きです"って書いてあるんとちゃう？」

全く気付かなかった自分に驚く。

いつもAばかりに気を取られて、周りのAに対する視線なんて気にしてすらいなかった。

大西「大ちゃんのことやからそのうちプライベートでも会いそうやんなあ」

藤原「いや、それはない。」

自信満々に断言する丈くんに皆が不思議そうな顔を向ける。

藤原「ここだけの話やけど…Aちゃん彼氏おるらしいで。」

長尾「えぇっ！？そうなんすか！？」

高橋「へー！」

Aに彼氏？

またもや困惑する俺。

今までAがそんな素振りを見せたことはない。

道枝「丈くん何でそんな話知ってるんすか？」

藤原「内緒～」

初めて知る事実達に驚きを隠しきれない俺は黙ってその場を後にした。