あなたの隣にいたいのです【大橋和也】 (ページ28)

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決意とケジメページ28

違う世界線で出会えたらどれだけ良かっただろう。

こんなに悩むことも遠回りすることもなかったのではないかと思うと、悔しくて仕方がない。

大橋「ほんまに…？Aが俺のこと…？」

A「うん」

大橋「えっめっちゃ嬉しいどうしよう！えっ！」

顔をほころばせる大橋くん。

大橋「え、ほんまに？ほんまにほんま？」

A「うん」

大橋「えーっ！やばい！！やったーーー！！！」

A「ちょ…静かにして。ここ賃貸。」

私だって嬉しい。

初めて大橋くんの心の内を知れたのだから。

大橋「はよ言えば良かったあ…」

A「私も」

大橋「絶対片思いやと思ってた」

A「同じく」

大橋「なあもう1回言って！好きって！」

A「え…嫌だ」

大橋「えーっ！？何でー！？ええやんかー！」

A「恥ずかしいもん」

大橋「何？照れてんの？ええやんええやん！なあ！お願い！」

A「…好き」

大橋くんが私をそっと抱き締めた。

大橋「俺も好きやで」

.

.

.

A「今まで本当にありがとうございました」

今月末でなにわ男子のマネージャー及び、事務所を辞めることになった。

西畑「ほんまにAちゃんおらんくなるん…？」

長尾「寂しい～！」

道枝「何で辞めるんですか…？」

簡単な送別会をしてくれるということで事務所へ行くと、大きな花束が用意されていた。

寂しげなメンバーや今まで一緒に働いてきた同僚達に囲まれ、目頭が熱くなる。

A「でもまだ後1週間くらいありますよ」

大西「それはそうやけど…」

高橋「たった1週間っすよ」

藤原「皆そんな悲しい顔せんと笑顔で見送らんとAちゃん俺らから離れられへんやろ～？」

と言いつつ丈くんの目は潤んでいる。

事務所を辞めるのは私なりの決意とケジメ。

このまま隠し通して働き続ける訳にはいかないと思ったから。

大西「次は何のお仕事するんですか？」

A「んー…特に決めてないです」

高橋「え…すごいっすね」

A「ずーっと仕事に追われてきたので…暫く休もうかと」

藤原「Aちゃんならどこ行っても大丈夫やろ」

西畑「ほんまにそれは思う。」

寂しがるメンバーを眺めながら大橋くんは複雑そうな表情を浮かべている。

多少なりとも責任を感じているだろうその表情に心が痛む。

だけど、これは私が決めたことだから。